あしたへ
2009年 02月 11日
私がきのうを置いてきたのは
きのうが信じられなくなったからでも
きのうから逃げたくなったからでもない
きのうは私と一緒に歩き
一緒に眠り
一緒に笑ったり悲しんだりした
それは幾分つつましく
ノスタルジックであるけれど
いつもどこか満たされなかった私は
ぼんやりと遠くを見つめて立っていた
過去は不確かではなかったろうか
未だ出会ったことのない未来は
私に優しく微笑んでいる
柔らかな香りを送ってくれる
過去に慣れっこになってしまった私は
おどおどしながら
けれど未来に惹かれたから
私を呼んでいる未来に向かって
歩いている
私を包み込む大らかな時の流れよ
私の愛するものたちの住むあしたよ
おまえに向かって歩いている
(初出 2005年9月8日)
あしたへ
ひと言
これは2005年に書いた作品ですが、少し手を入れました。全体に甘い感じは否めませんが、根本的なものは変わっていません。最近、友人に次のようなメールを送りました。
「私にとって一番大切なのは「これから」です。過去は作り直せない。でもこれからの未来は今の生き方いかんでどうにでも変えることができる。これから、その人がどのくらい吸収していこうとしているか、どのくらい生きることに向き合ってちゃんと生きていこうとしているか、どのくらい伸びたいか。」
過去は作り直すことができません。けれど、これから迎える未来は今どういう生き方をしているかが反映されます。極言すれば、今考えていること、感じていること、やっていることがすべて未来に植え込まれていくと思います。だから、私は過ぎていく過去よりこれから来る未来を信じています。
by hannah5 | 2009-02-11 13:56 | 作品(2009~)