三角みづ紀さん ワンマンライブ in 渋谷アピア 「剥離あるいは」   


5月21日(木)午後10時から、渋谷アピアで三角みづ紀さんの即興ライブがありました。共演は林隆史さん(ギター)、井谷亮志さん(パーカッション)。

オープニングから刺激的でした。スクリーンに映し出された今井紀彰さんの曼荼羅のビデオコラージュに三角みづ紀さんが発する小さな声を重ねていくというもので、曼荼羅はひとつひとつの輪の中に人や街や植物の映像が映っていたり、曼荼羅の周りの波が揺れたり草が風になびいたり、曼荼羅が四角になったり丸くなったりしました。みづ紀さんはその間、呟くように声を発し続け、それは時として読経のようだったり、言葉を覚える前の赤ん坊の声のようだったり、みづ紀さん自身の体内から湧いてくる言葉にならない叫びだったり、深く広く溢れ続けました。途中から加わったギターとパーカッションはどこかばらばらで、どこか統一感があり、どこか自分勝手で、それはさまよい続けるこの世の姿のようでもありました。みづ紀さんの声は途中から言葉になり、言葉はセンテンスになり、センテンスは音楽をかいくぐって言葉に戻り、「カナシヤル」「しゃくやくの花」「死ぬ」といったみづ紀さんの詩の中に出てくる言葉が流れ出しました。私はこのあたりからなぜかとても悲しくなってしまって、涙が止まりませんでした。

あなたが叫んでいる心は誰かが受けとってくれましたか。
放りあげた心は誰かが拾ってくれましたか。

小さな体から溢れて精一杯放った心は、怖がってみんな逃げてしまった。

私たちは物陰からこっそり覗くようにして、あなたを見ている。

・・・・・


いじめと病気と離婚と、さまざまな苦しみを経験してもなおいじけず、やけにもならず、生き抜いてきて、今も優しく生きている。三角みづ紀さんは強い人だなと思いました。

ライブ当日も38.5度も熱があったそうですが、体をいたわりつつ、でもこれからも、みづ紀さん、あなたを生きていってください。「歴程」ありがとうございました。6月のトークライブでまたお会いするのを楽しみにしています。

三角みづ紀さんのHP: 三角みづ紀



[PR]

by hannah5 | 2009-05-22 19:20 | 詩のイベント | Comments(0)

<< 詩書き、事始め しずかにしずかに >>