あんど出版トークイベント「詩を書く若い人のために」   


今日は午後からあんど出版主催のトークイベントがありました。出演は三角みづ紀さんと杉本真維子さん、司会はあんど出版の森川雅美さん。場所は文京区白山にある白山ジャズ喫茶「映画館」という所でした。

ジャズ喫茶「映画館」はふだんジャズも聴けるし、映画も上映するそうですが、店内は古い映写機(映画を上映する時に使用)や時代物のレジ(アメリカ製のでっかいレジで、今も使っているそうです。レジをあけるとチャリン!という昔のレジの音がしました。修理に出すと3万円もかかるそうで、滅多に修理に出せないと店長さんがおっしゃってました)、古い足踏みミシンを改造したテーブル、ドーナツ盤のレコード等々、アンティークな品物がたくさんあって、ここでコーヒーを飲みながらジャズを聴いたり映画を観たりしたらさぞ雰囲気があるだろうなと思いました。

三角みづ紀さんと杉本真維子さんのトークから、印象に残ったお話を少し。(敬称略)

作品を推敲するか。
三角みづ紀: 作品は一気に書き、推敲しない。書き上げた後は見ない。
杉本真維子: 心の溝にきちんとはまるように、かなり推敲する。婦人公論に投稿していた頃、作品がかなり長く、評者の井坂洋子さんに言葉を刈り込むように言われたため、以後、なるべく言葉を刈り込み、少ない言葉で書くようにしている。

詩を書き始めた時に他者をどう意識していたか。
三角みづ紀: 意識していなかった。「新世界」を書いた頃、他者を意識した。同時代の読者を意識しない。
杉本真維子: 目に見える具体的な他者はいなかったが、自分の中に他者がいた。誰かに向けて書いたことはなく、自分の中の他者を意識して書いている。

自分が書いた詩はいとしいか。
三角みづ紀: 書き上がった瞬間はいとしいかもしれないが、あとから読み返してみるといとしくない。その時の感情が思い起こされるといとしい。
杉本真維子: 自分の詩はいとしいが、心の溝にぴったりはまった詩でない時はいとしくない。

その他
三角みづ紀: 毎日誰かに会っている。人間は共有できないから好き。動物は興味ない。植物は無愛想なので好き。裏表のない人が好き。語らない人が好き。
杉本真維子: 動物が好き(犬と猫を飼っている)。自分とは遠い場所、違和感があり、矛盾するものの中で生活してきた。詩と関係のない所で詩ができる。違和感のある矛盾する場所だと、個性がこすられて作品が書ける。自己愛を肯定する(誰でも自己愛があるから)。

詩の書き方も生き方も嗜好も交差するところがほとんどなくて、まったく対照的な2人ですが、三角みづ紀さんも杉本真維子さんも生き生きとしていて、美しい人魚のようだと思いました。

今、もしかしたら男性詩人よりも女性詩人の方が面白いという印象があって、同じような感想を、偶然真向かいに座っていらした岩切正一郎さん(フランス文学者で詩人)も述べていらっしゃいました。(もちろん、男性詩人の中にも面白い方はいらっしゃいます。念のため。)

三角さんも杉本さんもお疲れさまでした。
楽しかったです。
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by hannah5 | 2009-06-13 22:09 | 詩のイベント | Comments(0)

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