レールの終着点   


ひと山のズボンが改札口から絞り出される

ぐわり
ぐわり

黒々とズボンが歩く
バス停に並び始める
列が出来る
列からこぼれたズボンが
スーパーの向こうの暗がりに吸い込まれる

ひと山のブーツが改札口から絞り出される

くわり
くわり

細々とブーツが現れる
バス停の列に加えられる
列が出来る
列から漏れたブーツが
スーパーの向こうの暗がりに吸い込まれる

タッ タッ タッ タッ タッ

無言の靴音が舗道を鳴らす
ズボンが次々と歩く
ブーツが細々と歩く

タッ タッ タッ タッ タッ

働くために存在する足
歩くために存在する労働

バス停の列が膨れる
暗がりが吸い込む

寡黙なレールから降りる

今日という終着点


(詩と思想7月号 佳作)
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by hannah5 | 2009-06-28 13:56 | 投稿・同人誌など

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