波長がぶれて   


とんでもなく遠くへ行ってしまいそうな
わたしたちの会話
一人がぶちぶち言えば
もう一人がにぎにぎ言い返す
一つぼたんがはずれたまま
一つぼたんをはめそこなう

あなたのイロハと
わたしのイロハが
時間差を残したまま
並行に走らず
先になり追いかけ
追い越そうとして
ハンドルを切りそこね
カーブを曲がり切れずに
急ブレーキをかけたまま
ガードレールに突っ込んでしまった

曇り空が広がって
みるみるうちに暗雲が立ち込め
あなたの姿が見えないまま
わたしの姿も見つけてもらえないまま
わたしたちは手探りで
お互いを探している

ほんとうは走ったりしないで
歩いていけばいいんだろうな
息が切れないくらいのスピードで
ここにいるよって大声を出さずに
ただ歩いていけばいいんだろう
そうやって自然歩行でいけば
いつのまにか
あなたの手とわたしの手がつながって
そのままなんとなく離れずに
二人並んでいくことができるんだろうね


(詩と思想1・2月号投稿作品)







詩と思想1・2月号で入らなかった作品。
でも、海埜今日子さんが評をくださいました。
「ずれた姿をもっと突き詰めて欲しい」と。
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by hannah5 | 2010-01-12 18:30 | 投稿・同人誌など

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