橋本平八と北園克衛展1   


世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園)では現在「橋本平八と北園克衛展」が開催されています(12月12日まで)。今日はそれを見に行ってきました。午後6時からは詩人の藤富保男さんのレクチャーがありました。

橋本平八(1897-1935)と北園克衛(1902-1978)は兄弟で、平八は兄、克衛は5歳年下の弟です(克衛の本名は橋本健吉)。橋本平八は木彫の彫刻家で、1922年より日本美術院展に作品を発表し始めました。北園克衛は1920年代より前衛的な詩人として活躍、1935年にVOUクラブを結成、機関紙「VOU」を編集発行しました。1960年代からは写真による詩、プラスチック・ポエムを発表しました。(パンフレットより引用)

会場となった1階展示室の半分には橋本平八の木彫や構想図、絵画が、残りの半分には北園克衛が装丁した本の表紙、執筆原稿、個人書簡、機関紙「VOU」、詩集、同人誌等が展示されていました。圧倒的な数の同人誌(装丁も面白いものが多かったです)、詩論の数々、プラスチック・ポエムなど、モダニズムと一口に言いますが、実際に行われていたのは旺盛な芸術活動で、どの作品を見ても時代をリードし、新しい芸術の先端を担っていくのは自分たちであるという気概が溢れているものばかりでした。次々と芸術を生み出していくエネルギー、芸術や詩へのあっけらかんとした信頼とでも言いましょうか、そんなものがどの作品からもうかがえました。ある意味これはとても幸せなことだと思いました。現在の芸術家や文学者からはあまり感じられないものですが、逆に言うと20世紀初頭は芸術への信頼が今よりずっと許される時代だったのかもしれません。

今日のようなレクチャーはこのあと3回にわたって行われます。
1. 「北園克衛を語る2」
   11/5(金)6.00 p.m.より
    講師: 浅葉克己(アートディレクター)
2. 「北園克衛を語る 3」
   11/13(土)6.00 p.m.より
   講師: 金子隆一(写真史家)
3. 「北園克衛を語る4」
   11/14(日)6.00 p.m.より
   講師: 白石かずこ(詩人)


追記 (10/31)
エズラ・パウンドが北園克衛に宛てた手紙が展示してありました。当時はもちろんパソコンなんてなくて、英文の手紙はタイプライターで打ったのですよね(しかもたぶん手動式だったはず)。所々スペルミスが手書きで修正してありました。
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by hannah5 | 2010-10-30 23:04 | 詩のイベント | Comments(0)

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