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冬の詩作   


寒い夜
冷えた体をそろそろと湯に入れる
熱さが皮膚を侵食する

ああ、こんな感じが好きだった

冬の夜が風呂を覚えていてくれた
ぼんやりと湯船を見つめる
幸せか不幸せかなんて聞かない
ここに浸かっていることが
今、在る

風がかすかに通り過ぎていく
ひとしきり雨戸をなでたあと
本当に静かになった

眠りが沈黙し始めるころ
一遍の詩を湯船に浮かべた

by hannah5 | 2005-01-21 23:28 | 作品(2004-2008)

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