日本の詩を読む VII その5   


6月18日(月)は「日本の詩を読む」の5回目の講義でした。今回は西脇順三郎の『失われた時』を中心に講義が行われました。

西脇はプルーストとジョイスを熱心に研究していたとのことですが、『失われた時』には『失われた時を求めて』(プルースト)と『ユリシーズ』(ジョイス)の影響がかなりあったようです。講義は野村さんの『詩のガイアを求めて』をテクストに進められたので、講義の内容はここでは省きます(詳しく知りたい方は『詩のガイアを求めて』(「西脇順三郎、詩のトランスモダン」)を読んでいただければと思います)。

フランスの文学にしても英国の文学にしても、ヨーロッパの文学には人間の営みを営み全般から未來方向に向かって捉える感じがあって、そこに私は惹かれものがあります。西脇が登場するまで日本にはそういう大きな視点から書いた作品がなかったのではないか、いつも自分の小さな世界に目を向けていて、繊細だけれど人間の営みを感じさせるものがなかったのではないか、しかし、西脇が現れたことによって、日本の詩にもこのような人間の営みの大きさを感じさせるものが出現したのだと思います。西脇の作品には年月とともに薄くなって消えてしまわない言葉の豊穣さと強さを感じます。

野村喜和夫さんの肉厚の講義、今回もかなり堪能しました。次回6月25日は最終講義です。
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by hannah5 | 2012-06-19 21:22 | 詩のイベント | Comments(0)

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