書燈社展   


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11月8日から11月14日まで、上野の東京都美術館で開催されていた「書燈社展」の「企画展 横浜詩人会とのコラボ展」に、最終日の昨日やっと行くことができました。

会場に着くと、ものすごい数の書の展示に圧倒されるようで、ふだん書道とは縁遠い私はどうにか自分の作品を書いてくださった方の作品を見つけることができました。書いてくださったのは鈴木美千枝さんという方で、もしかしたら私の詩は書道として書きにくかったのかもしれないと思ったりしました。(書にして趣のある詩が見やすいようです。)ともあれ、拙作を書いてくださってありがとうございました。

書燈社展に出した作品は「魚屋のさかな」で、実際に鈴木美千枝さんが書かれたのは「切ないヤツだ」以降の部分です。


魚屋のさかな


魚屋のさかなは
もうじき食べられることを知っているはずなのに
なぜかひとなつこい
目をぎょろぎょろさせながら
私が行くところにどこまでも
いけすの中をついてくる
あっちへ行くとあっちへ行く
こっちへ来るとこっちへ来る
そのたびに上唇をふわふわさせる

無表情だったさかながかすかに笑った
目に愛嬌がある
それから尻尾を小さく振った
さかなは空気のジェットに顔をつっこんで
口をぱくぱくさせながら一回転してみせた
運命の短さに嘆くこともなくおどけてみせる

切ないヤツだ
今晩さしみにされてしまうかもしれないというのに
何しろこのいけすに放されたさかなで
二日といたのを見たためしがないからね

さかなはしばらく私のそばでゆらゆらしていたが
やがてきびすを返してあっちへ行ってしまった


あいつは今ごろ誰の皿に乗っているんだろう
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by hannah5 | 2012-11-15 15:47 | 詩のイベント | Comments(0)

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