浅い春   


春まだ浅い港にはかすかな痛みが残っていた
思い出ははるか彼方に行ってしまったけれど
あなたを想って過ごした時間は
いつまでも波間を漂っている

桟橋はあの時より賑やかになった
風もずっと穏やかになった
あなたと過ごした時間を知る人たちも
もういない

どのくらい海を見つめていたのだろうか
言葉も交わさず
嬉しさと悲しさを交錯させたまま
抱き合ってとめどもなく歩いた

路地裏の街灯の下に山茶花が浮かび上がった
港の灯りがぼんやりとにじんだ
冷え切って疲れた体をもてあましながら歩いた
長い長い坂道

あなたは知っていたのだろうか
いくつもの季節が過ぎ
いくつもの思い出が流れても
ひとつの痛みが去らないことを
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by hannah5 | 2005-02-21 01:06 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

Commented by ice_01 at 2005-02-22 03:05
寝ている間に、春模様替えしましたね♪
ひとつの痛みってなんだろう?
そうやって心に残るものを抱えて生きてくんだよね。
Commented by ray_999 at 2005-02-22 14:21
痛みを知るから、優しくなれたり
痛みのせいで、優しくなれなかったり・・
でも、そうやって成長していくのかなぁって
つくづく思います。
Commented by hannah5 at 2005-02-22 19:54
*あいすさん、春が一歩づつ近づいてきてますからね^^
何年たっても消えない痛みってありますね。
Commented by hannah5 at 2005-02-22 19:59
*ray_999さん、たしかにそうですね。
もっとも、成長できればいいですけどね。
Commented by satsuki at 2005-02-22 20:09 x
姐さん?珍しく後ろ向き??
感じやすい人だからなあ・・・姐さんも・・・。

あ、そうだ!
姐さんがクリスチャンになったのって、いつごろなんだろう??
きっかけって、さしつかえある??話すのに??
聞いてみたいな・・・。
Commented by hannah5 at 2005-02-22 23:32
*サツキさん、後ろ向きというより、昔のその場所へ行くと、もうだめなんです。
これでもだいぶ感じなくなったんですけどね。
やっぱり痛みの種が少し残っていますね。
しばらく前は永久に痛みは薄れないと思っていたけど、今はだいぶ薄くなりました。
私がクリスチャンになったのはちょうどイギリスへ行ったころです。
前にその詩をアップしたでしょ?
その頃ですね。
きっかけは、痛みの原因と関係ありです。
Commented by satsuki_ok at 2005-02-23 01:50
ああ・・・だった・・・おもいっきり、地雷踏みました、ぼく。(苦笑)
Commented by じゅん at 2005-02-23 12:28 x
嬉しさと悲しさを交錯させたまま

ってのは何となく分かる気がします。
Commented by hannah5 at 2005-02-23 13:23
*サツキさん、大丈夫よ。
こういう証しは機会があるたびにしていますので。
Commented by hannah5 at 2005-02-23 13:27
*じゅんさん、そう、幸せだけれども不幸せみたいなね。

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