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迷走のプリズム   

真実はそこになかった
「君には嘘をつかないよ」
上手にだました
いつもそれらしい言い訳があり
辻褄合わせがあり
見せかけの正直があった
複数のHNを使い分けて
まったく違う人物になりすました

嘘はそこにはなかった
アラシに巻き込まれないように
じっと守り続けてくれた
最後まで優しい言葉をかけ続け
特別の思いやりを寄せ
親を思いやれという言葉をくれた
正直な気持ちがあり
親切が溢れた

嘘と真実のプリズムは
明と暗を交互に光らせ
見る角度によって
善人だったり悪人だったりする
優しいね
おとなしい好青年だ
悪辣だね
アラシだから

君に泣かされればよかったかもしれない
苦しんでもがいて
人生が狂ったと恨んでね
君を完全に信じていればよかったかもしれない
ゆるぎない信頼を寄せて
疑いもせず
心を完全にあけ放してね

次々と変わるプリズムを見ながら
どちらも遠くに透かして
零れ落ちる光を冷たく観察していた自分がいる
君を信頼しても疑ってもいなかった
これもひとつの人生だから
変わりゆく光の具合を観察していただけだよ
明らかに君のプリズムは
私のプリズムとは少し違うようだね

by hannah5 | 2004-09-08 04:32 | 作品(2004-2008)

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