一切れの季節
2004年 07月 22日
おずおずとそっと一切れ差し出し
一番小さな肉片を遠慮がちにとった君
何をお喋りしたのだろう
逃すまいと必死で聞いていたはずなのに
語り合ったことが空気の中に溶け出して
その向こうに恥かしげにほほ笑む君の笑顔がひっそりと佇む
君と向かい合って座る幸せで心が一杯になって
聞きたかったことが全部消えてしまった
どこを歩いたのだろう
とめどもないお喋りの合間に
嬉しさだけが漂っていたね
何時間も歩き回って
服の生地がずらっと並んでいた店先や
ちょっと品のない洋服がぶらさがっていたのは覚えているけれど
初めて訪れた町なのに妙に懐かしくて
すぐにでも行きたい店が見つかりそうなアーケード
ひたすら歩き回って
どこへ行きたいわけでもなかったのにね
参加してもいい?
そう問いかけた私の目に
ううん、と否定してみせた君の目
きれいな切れ長の目が涼しく光った
一瞬にして哀しみを了解する目
君はその目で何を見てきたのだろう
何を考えてきたのだろう
君のその目を見た瞬間
たくさん語ってきた言葉がすべて空しく消えてしまった
君に会った幸せは消えないよ
あれから
静かな夜更けに君の言葉をずっと読みつづけている
一番小さな肉片を遠慮がちにとった君
何をお喋りしたのだろう
逃すまいと必死で聞いていたはずなのに
語り合ったことが空気の中に溶け出して
その向こうに恥かしげにほほ笑む君の笑顔がひっそりと佇む
君と向かい合って座る幸せで心が一杯になって
聞きたかったことが全部消えてしまった
どこを歩いたのだろう
とめどもないお喋りの合間に
嬉しさだけが漂っていたね
何時間も歩き回って
服の生地がずらっと並んでいた店先や
ちょっと品のない洋服がぶらさがっていたのは覚えているけれど
初めて訪れた町なのに妙に懐かしくて
すぐにでも行きたい店が見つかりそうなアーケード
ひたすら歩き回って
どこへ行きたいわけでもなかったのにね
参加してもいい?
そう問いかけた私の目に
ううん、と否定してみせた君の目
きれいな切れ長の目が涼しく光った
一瞬にして哀しみを了解する目
君はその目で何を見てきたのだろう
何を考えてきたのだろう
君のその目を見た瞬間
たくさん語ってきた言葉がすべて空しく消えてしまった
君に会った幸せは消えないよ
あれから
静かな夜更けに君の言葉をずっと読みつづけている
by hannah5 | 2004-07-22 04:17 | 作品(2004-2008)