日本の詩を読む XII 第1回 ~西脇順三郎へのアプローチ~   


野村喜和夫さんが講義される「日本の詩を読む」シリーズの第7回目が始まりました(教室は淑徳大学池袋サテライトキャンパス)。今回の講義は西脇順三郎の作品を中心に、萩原朔太郎との比較や朔太郎からの移行、西脇から現代詩への移行などについて行われます。

第1回目の講義は萩原朔太郎との比較を織り交ぜながら、西脇のプロフィールを中心に見ていきました。いつも教室に行ってから作品を初めて読むことが多いので、今回は少し予習をしていこうと思い、現代詩文庫の『西脇順三郎詩集』にざっと目を通しておきました。しかし、読めば読むほど最初の感動的な印象が薄れて、日本の詩壇に新しい息吹を吹き込んだ西脇の詩の凄さがわからなくなり始めたところだったので、この講義は楽しみにしていました。作品のむずかしさはともかく、プロフィールを見る限り西脇の仕事の大きさには圧倒されるものがあります。教室では「秋」という作品を読みました。この作品は特にⅡが好きです。




  Ⅰ

灌木について語りたいと思うが
キノコの生えた丸太に腰かけて
考えてる間に
麦の穂や薔薇や菫を入れた
籠にはもう林檎や栗を入れなければならない。
生垣をめぐらす人々は自分の庭の中で
神酒を入れるヒョウタンを磨き始めた。

  Ⅱ

タイフーンの吹いている朝
近所の店へ行って
あの黄色い外国製の鉛筆を買った
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずつた木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門をとじて思うのだ
明朝はもう秋だ

(西脇順三郎詩集『近代の寓話』より)








講義のシラバス

第一回 萩原朔太郎から西脇順三郎へ
第二回 『Ambarvaria』の衝撃
第三回 転回― 『旅人かへらず』 の世界
第四回 頂点― 『失われた時』 を読む
第五回 西脇順三郎から現代詩へ
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by hannah5 | 2014-12-23 20:25 | 詩のイベント | Comments(0)

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