声ノマ 全身詩人、吉増剛造展   


現在、東京国立近代美術館で吉増剛造展が開かれている(6月7日~8月7日)。若い時からの日誌や自筆原稿、写真、覚書、銅板、カセットテープ、映像作品、大野一雄とのコラボレーション、怪物君の制作風景や実際の制作物、写真、カセットテープに吹き込まれたさまざまな声を実際に天上から吊り下げたスピーカーから流す<声ノート>など、吉増剛造さんの作品と資料がワンフロア―全体を使って展示されている。タイトルの「声ノマ」の「マ」には魔、間、真、目、待、蒔、磨、交、舞、摩、増など様々な意味が込められていて、「漢字をカタカナに置き換えることで、言葉(音)が本来もっていた多義性を回復させる」意味があるそうだ(東京国立近代美術館吉増剛造展HPより)。私自身は吉増さんのファンではないが、展示された詩や芸術作品を通して吉増さん自身の精神世界に触れ、圧倒される思いだった。ひとつひとつゆっくり見ているうちに閉館時間になってしまい、最後の大野一雄とのコラボレーションはほとんど見ることができなかった。時間があれば再度見たいが、7日で終わるので行けるかどうか。展覧会のチラシをかいつまんでご紹介するので、少しでもGozoワールドに触れていただければと思う(0から9の番号は部屋番号)。尚、写真撮影が許可されている部屋があり、ここに掲載したものはその部屋で撮ったものである。



【声ノマ 全身詩人、吉増剛造展 The Voice Between: The Art and Poetry of Yoshimasu Gozo】


0. イントロダクション Introduction

展覧会は詩人の吉増剛造と「声」とのかかわりをさまざまな角度から紹介している。9つの部屋は黒い紗の幕で分けられており、吉増が農具の箕や「U」の字など、空間がゆるやかにうまれつつあるような形体に関心を持ち続け、そこからあるようでない、ないようである境界線を生み出していることを表している。紗の境界線は見方によってはほとんどないものとして感じられ、吉増における各ジャンル間の深いつながりを意味している。


1. 日誌・覚書 Diaries and Memos

1961年1月(22歳になる直前)から2012年までの日誌や覚書が展示されている。若い頃の「内なる声の吐露」から年を経て「外の声を聞き、内なる声を蓄えるためのメモ」へと変化している。


2. 写真 Photography

離れた二つの場所を重ね合わせる多重露光という手法で撮られた写真が展示されている。多重露光により、夢現の景色と独特の静けさが生まれている。萩原朔太郎の作品も紹介されている。


3. 銅板 Copper Sheets

彫刻家の若林奮から送られてきた薄い銅板に、彼からもらったハンマーと鏨(たがね)で言葉を打ち込んだもの。言葉を打ち込んだ銅板はさまざまな所へ持ち歩き、写真に撮っている。

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この銅板は実際に手で持ってもよい



4. <声ノート>等 Voice Notebooks, etc.

吉増自身の声をカセットテープに録音してメモを取った「声ノート」や、瞽女(ごぜ)や恐山のイタコ、相撲甚句、歌謡曲の歌手などの声が録音されたものなど、約1000本のカセットテープが展示されている。また、天井からは10本のスピーカーが吊り下げられていて、<声ノート>や録音されたさまざまな声が流れている。

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1000本のカセットテープ

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天井から吊り下げられたスピーカ―からは常時録音された声が聞こえてくる


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5. 自筆原稿 Manuscripts

詩やエッセイのための自筆原稿が展示されている。吉本隆明の詩の原稿や中上健次の原稿も展示されている。


6. <gozoCinè>

無編集のロードムービー的な映像が映されていて、吉増自身の声の解説がついている。「まいまいず井戸」は井戸そのものより、吉増自身の解説が面白かった。



7. 怪物君 Dear Monster

2011年の東日本大震災後の1年後に制作を開始した作品で、前半は吉増による朗読、後半は吉増の制作風景を吉増が自撮りした映像を見ることができる。


8.

演出家、飴屋法水による<怪物君>をモチーフにした空間。


9. コラボレーション Collaborations

大野一雄の舞踏と吉増の詩の朗読のコラボレーション。パフォーマンスは釧路湿原で行われた。




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by hannah5 | 2016-08-01 22:42 | 詩のイベント | Comments(0)

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