野村喜和夫現代詩講座「日本の詩を読む/世界の詩を読むI ~ 現代詩と古典」 第1回「大岡信」   


b0000924_04120.jpg


野村喜和夫さんが講義される現代詩の講座「日本の詩を読む/世界の詩を読む」が今月から始まりました。これは3月まで淑徳大学池袋サテライトキャンパスで行われていた「日本の詩を読む」の続きですが、淑徳大学サテライトキャンパスが閉鎖されたため、今月開設されたエルスールカフェ(エルスール記念館/野村喜和夫記念館内)に場所を移してスタートしたものです。そして、今回から日本の詩だけでなく世界の詩も読むことになりました。

初回とあって淑徳大学で講義を受けていた受講生だけでなく、野村さんが新宿と横浜の朝日カルチャーセンターで講義をされている教室の受講生も参加して、総勢15名のクラスとなりました。淑徳大学の時は多くてもせいぜい8名くらいだったのですが、15名ともなるとさすがに大きく感じます。意見や質問などで活気溢れるクラスになりました。

今回のシリーズは7月までで、毎月第4日曜日の午後3時から5時まで講義が行われます。1回目の昨日は先日86歳で亡くなった大岡信さんが取り上げられました。読んだ作品は「地名論」、「さわる」、「水底吹笛」でした。他に、野村さんが毎日新聞に寄稿された追悼文「理論と実践 現代詩支え 大岡信さんを悼む」も配布されました。

講義の後は7名ほどで中国人がやっている中華料理屋へ繰り出し、そこでも文学論、詩論、意見、質問等々で盛り上がりました。料理はどれもとてもおいしくて、私は少しだけ紹興酒をいただきましたが、皮蛋とよく合ったし、料理の話でも盛り上がりました。次回の講義は5月14日の予定です(5月だけ第2日曜になります)。




地名論


水道管はうたえよ
御茶の水は流れて
鵠沼に溜り
荻窪に落ち
奥入瀬で輝け
サッポロ
バルバライソ
トンプクトゥーは
耳の中で
雨垂れのように延びつづけよ
奇態にも懐かしい名前をもった
すべての土地の精霊よ
時間の列柱となって
おれを包んでくれ
おお 見知らぬ土地を限りなく
数えあげることは
どうして人をこのように
音楽の房でいっぱいにするのか
燃えあがるカーテンの上で
煙が風に
形をあたえるように
名前は土地に
波動をあたえる
土地の名前はたぶん
光でできている
外国なまりがベニスといえば
しらみの混ったベッドの下で
暗い水が囁くだけだが
おお ヴェネーツィア
故郷を離れた赤毛の娘が
叫べば みよ
広場の石に光が溢れ
風は鳩を受胎する
おお
それみよ
瀬田の唐橋
雪駄のからかさ
東京は
いつも
曇り



.
[PR]

by hannah5 | 2017-04-25 00:04 | 詩のイベント | Comments(0)

<< 緑宴 訃報 >>