野川朗読会8   


7月2日(日)、野川朗読会が開かれました(場所は成城ホール集会室)。野川朗読会は毎年レギュラーメンバーとゲストによる詩の朗読と、野川にちなんだ話題を作家の長野まゆみさん、詩人の田野倉康一さん、ゲストによって提供されるもので、今回で8回目です。毎回、「ひとことテーマ」があって、今回は「私は最近、コレで笑った」というテーマで、詩の朗読の出演者が朗読の前に笑った話を披露し、私たち聴衆はそれを聞いて「ワライカワセミに話すなよ♪ ケケラケラケラ・・・・・♪」をひとしきり歌いました。(詩人たちの「コレで笑った」話より、「ワライカワセミに話すなよ♪」を歌うたびに最初から最後まで音が外れたまま歌う人がいて、しかも声が大きくてよく響いて、私にはそちらの方が笑えてしいました(笑))

特別ゲストで参加された新川和江さんのお話しがとても印象的で、心に残りました。




【プログラム】

ひとことテーマ:「私は最近、コレで笑った」(ワライカワセミに話すなよ!)


《一部》

[朗読]
伊藤浩子(体調を崩されて休場)、生野毅、渡辺めぐみ、北爪満喜、そらしといろ、杉本真維子
特別ゲスト:新川和江

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永瀬清子の詩を朗読する新川和江さん


[対話]
長野まゆみ×そらしといろ×田野倉康一


《二部》

[朗読]
長野まゆみ、田野倉康一、樋口良澄、相沢正一郎、野村喜和夫、一色真理、岡島弘子


(司会)一色真理
(敬称略)

後援:思潮社、土曜美術社出版販売、モノクローム・プロジェクト、らんか社



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あけがたにくる人よ

      永瀬清子


あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の所へしずかにしずかにくる人よ
一生の山坂は蒼くたとえようもなくきびしく
わたしはいま老いてしまって
ほかの年よりと同じに
若かった日のことを千万遍恋うている

その時私は家出しようとして
小さなバスケット一つをさげて
足は宙にふるえていた
どこへいくとも自分でわからず
恋している自分の心だけがたよりで
若さ、それは苦しさだった

その時あなたが来てくれればよかったのに
その時あなたは来てくれなかった
どんなに待っているか
道べりの柳の木に云えばよかったのか
吹く風の小さな渦に頼めばよかったのか

あなたの耳はあまりに遠く
茜色の向うで汽車が汽笛をあげるように
通りすぎていってしまった

もう過ぎてしまった
いま来てもつぐなえぬ
一生は過ぎてしまったのに
あけがたにくる人よ
ててっぽっぽうの声のする方から
私の方へしずかにしずかにくる人よ
足音もなくて何しにくる人よ
涙流させにだけくる人よ




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by hannah5 | 2017-07-08 22:47 | 詩のイベント | Comments(0)

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