デジタル人間
2004年 09月 19日
私はデジタル人間だ
一つの仕事からもう一つの仕事へと
きっちりと区分けをして進む
それはまるで階段を上るようだ
一段上ったら下の段はもうない
また一段上ったら今までの段はもうない
一つ一つがくっきり区切られる
泣く時も心が千切れるほど大泣きに泣いて
涙が絞り切れるともう泣かない
それまでどれほど悲しくても
泣くだけ泣いたらすっきり気分が晴れて
カリフォルニアの青空のようになる
それであとは笑って過ごせる
泣いたことなどなかったかのようだ
私の周りにはアナログ人間が多い
というよりも デジタル回路の人間は
アナログ回路に魅力を感じるらしい
母は典型的なアナログ人間
やたらに切れたり感情が裏返ったりしない
悲しい時は
悲しみがいつまでもそこはかとなくよどんでいる
もう悲しみは忘れたらいいのに
時々そう思う
親友も典型的なアナログ人間
同じ感情がいつもそこに漂っている
仲良くなる人は大抵アナログ人間
気分は私のように階段を上らない
アナログ回路の人達は
デジタル人間の心の動きがわかるらしい
一段づつ階段を上るデジタル人間には
アナログ人間の心の動きがまことに羨ましく
なんだかとても上等な精神をもっているように思える
それで時々アナログになってみたりするけれど
どこかぎこちない
いいさ デジタルはそのままデジタルで
所詮アナログにはなれません
アナログがまだ悲しんでいる時に
青空気分になったデジタルが
慰めてあげられるかもしれないしね
by hannah5 | 2004-09-19 08:49 | 作品(2004-2008)