詩の向こう側
2006年 02月 09日
詩人は本当は
隠れて見えない方がいいのかもしれない
顔も素性も形もなくて
言葉だけ存在している方が
詩を読んでいる人は
自由になれるかもしれない
広いページに
言葉がぽつりぽつりと
置かれている
その言葉に吸い寄せられて
じっと読んでいると
いつのまにか
夜の街をさまよう人の傍にいたり
秋の公園で銀杏の落葉を見上げていたり
静かな部屋でパソコンを打っている自分がいる
それらはどれも
知らない所で起こった出来事のはずなのに
私は親しげに詩人に話しかけ
詩人の話を聴き
詩人と同じ空間にいる
ゆっくりと
大らかに
詩人が招いてくれている
その優しさを
今夜も想う
by hannah5 | 2006-02-09 23:44 | 作品(2004-2008)