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詩の向こう側   


詩人は本当は
隠れて見えない方がいいのかもしれない
顔も素性も形もなくて
言葉だけ存在している方が
詩を読んでいる人は
自由になれるかもしれない

広いページに
言葉がぽつりぽつりと
置かれている
その言葉に吸い寄せられて
じっと読んでいると
いつのまにか
夜の街をさまよう人の傍にいたり
秋の公園で銀杏の落葉を見上げていたり
静かな部屋でパソコンを打っている自分がいる
それらはどれも
知らない所で起こった出来事のはずなのに
私は親しげに詩人に話しかけ
詩人の話を聴き
詩人と同じ空間にいる

ゆっくりと
大らかに
詩人が招いてくれている
その優しさを
今夜も想う

by hannah5 | 2006-02-09 23:44 | 作品(2004-2008)

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