人気ブログランキング | 話題のタグを見る

雨の日に思うこと   


「自分が詩を書いていることを詩にするのは
楽屋オチみたいで、好きではないんです
できれば他のテーマで
この情熱を感じさせて欲しかったです」
と、島さんは言う
そうだなあ、と思う
そういえば、どのテーマも
もうひとつ食い込みが足りないかもしれない
ゆっくり時間を割いてあたためていない
どの出来事も
一口かじっては次へと急いでいる
まるで書くことだけが目的みたいに

まわりを見回してみた
心が響いているだろうか
心がつかまれているだろうか
口あたりのよさを楽しんでいるだけなのではないか
都会の孤独と無関心というテーマでさえ
詩にするための道具にしていないだろうか

それで思うのだが
手のひらでぎゅっと握りしめることが
少ないかもしれない
きょうは雨が降っている
人々は整然と歩いている
思いが道に佇んでいる
季節が流れる
風のように
私の心はそれらを愛してやまないだろうか
それらを抱きしめているだろうか

私の心に映るそれらの中へ
共鳴する心を持っていきたい

by hannah5 | 2006-05-27 22:47 | 作品(2004-2008)

<< 私の好きな詩・言葉(74) 「... 歩くよ >>