コーヒー   


ところで私はまたこうして
とりとめもなく さまざまな想いに浸っている
一人の時間をできるだけ引き延ばして
薄く伸びきったところに何が落ちているのか
聴こうとしている

それはビーズのように連なっている一連の言葉だったり
どこからともなく聴こえてくる音楽だったり
遊んでいるように見えるけれども
とても親密な恋人の会話だったり


  ふと、思い出した
  きらきらと陽ざしに輝いている波の面が
  静かに広がっている
  まるで音のない動画を見ているみたいに
  小さなさざ波がちろちろと陽に映える
  シルエットのように浮かびあがった少女の面影が
  海を背景にして立っている
  少女の表情はわからない
  たぶん会ったことのない少女だろう


壁に向かって一人で食事をしている人がいる
今時のファーストフードのレストランは
大抵、どこもそんなふうだ
店内いっぱいの客なのに みんな
壁に向かって一人ぼっちで食事をしている
メールをしている人もいる
メールの向こうで初めて孤独から解放される

私はゆっくりコーヒーをすする
きのうまで広がっていた哀しみが
きょうは小さな鞠になって跳ねている

(久しぶりだね)

ジョキジョキとはさみで切られて痛かったのに
なんだかきょうははさみが見えない

鞠つきはまだできないけれど
少しだけ 鞠を抱えていようか


コーヒーが冷めないうちに




この詩も初めに「コーヒー」を書き、いろいろ考えたり手を入れたりして書いたのが「コーヒーが冷めないうちに」でした。
今日、読んでみたら、初めに書いた「コーヒー」も悪くないと思いました。
案外、いろいろ手を加えない方がストレートに気持を表現していて、いいのかもしれません。
[PR]

by hannah5 | 2006-12-14 23:39 | 投稿・同人誌など

<< コーヒーの向こう側 直感 >>