新しい季節
2007年 05月 05日
二十代のある凝縮した時期
こぼれるように詩を書いたことがある
大きな感動と激しい動揺があった後
ほんのしばらく言葉が溢れ出た後
だんだん書くことがなくなって
言葉は乾いて湧いてこなくなった
それから何年かたった頃
ある日偶然、言葉に打たれた
何と言ったらよいだろう
喜びとも安堵とも違うあの時の感覚を
何かが私を抱き締めるような
何かが私を突き抜けるような
私が生まれる前からそこにあって
私をずっと待っていてくれたような
ごく自然体の何かだった
心を取り戻すことがあるとしたら
そんな感じだろう
言葉の中にある豊かな可能性
広々とした自由
ほとんど涸れていた言葉が
これからは当分湧き続けるだろうという
不思議な納得
いつも私のそばにいて
私と波長の合うもの
新しい季節が生まれてくる
言葉の中から
言葉の中で
by hannah5 | 2007-05-05 23:30 | 作品(2004-2008)