寺西さんがね
2007年 12月 09日
教会の奉仕を終えて
帰りの電車に乗っている
夕方の薄暗くなった街が
車窓をびゅんびゅんと飛んでいく
電車の中で
寺西さんの詩を読んでいる
こんな時
寺西さんは街の風景を
寺西さんらしい優しいペーソスで書くんだろうな
と思っていたら
車窓の風景の中から
寺西さんの声が聴こえてきた
あ、
寺西さん、いま、飛んでいったみたい
寺西さんはもうここはにいない
なのに
以前よりもっと声が聴こえてくるのが不思議だ
寺西さんの詩には
生霊だの夢枕だのが出てくる
寺西さんが霊魂みたいなのになって現われても可笑しくはない
霊魂みたいなのになった寺西さんは
生きていた時みたいに
やっぱりぽつりぽつりと話す
わたし、お化けが怖くて嫌いなのに
霊魂みたいなのになった寺西さんは
なんだかほのぼのとしていて怖くない
変ね
by hannah5 | 2007-12-09 19:45 | 作品(2004-2008)