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わたしの中のあなたの中のわたしの中のようなもの   


― この感覚がいいんだよ

一つのセンテンスが頭の中を
地響きをたてながら駆け巡る
その途端にむくれていた細胞が
にんまりと笑って全開になる

飽和状態だった細胞が
ゆうらり
と、空気の中に溶け出し
みるみるうちに色も形も見えなくなる

今までのことはすべてこの瞬間のためだったのだ
と思わせるほどの出来栄えで
相性がいいというのか
波長が合うというのか
細胞が同じ核をもつ細胞と出会って核融合を起こし
相手と自分との境目が消滅したまま
居心地がよくなって
互いの間を自由に往来し
大らかに笑っているようなものだ

それで俄然、勇気が出てきた

水に浸けると
縮んでいた乾燥わかめが水分を得て一気に伸びていくように
(ふえるわかめとかいう)
あなたの言葉から手が生え足が生え
んにょーーい!
と伸びをして
違和感も気後れも焦燥感も
その他ありとあらゆる負の要素が
過去の遺物となる

いい言葉は
ずんずん細胞を浸食していくね

by hannah5 | 2008-06-07 23:50 | 作品(2004-2008)

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