La Voix des poètes (詩人の聲) ~ 野木京子さんの朗読会   


6月26日(木)、野木京子さんのポエトリーリーデイングに行ってきました(天道大人氏プロデュース)。会場は東京都世田谷区太子堂にあるStar Poets Gallery という小さなギャラリーで、10人も入ればいっぱいになるかわいらしい空間でした。少し遅れて行ったので、会場に着くとすでに朗読は始まっていました。Star Poets Gallery はヒーリング系のオイルやアクセサリーを販売していて、色とりどりのきれいなオイルボトルが並べられた棚の前で、野木さんはゆったりと朗読されました。私が着く前には『銀の惑星その水棲者たち』(第一詩集)の作品も読まれたとのことでしたが(聴けなくて残念でした)、私が着いてからは『ヒムル、割れた野原』を中心に読まれました。

野木さんは前回まではあらかじめ作品を決めておいて朗読されたそうですが、今回はどの作品を朗読するかは決めず、会場で作品に導かれるようにして朗読されました。話す時は優しい柔らかい声の野木さんですが、朗読をする時はりんと張ったよく通る声で朗読されます。他の詩人さんの作品はどうかわかりませんが、野木さんの作品は目を閉じて聴いた方が言葉のエネルギーが伝わってきます。そのエネルギーが胸に迫ってきて、それはまるで宇宙の中で一筋の強烈な光線に何度も出遭うような感じでした。

朗読会の後は二次会に参加させていただきました。(帰りますと言ったのに、誘われるとすぐ乗ってしまう節操のないはんなでした。)私の前に座っていらしたのは、なんと「スーハ!」の同人の八潮れんさん。とても美しい方だったので、初めは女優さんかと思ったほどでした。暴君ハバネロみたいな天童大人さんは相変わらずハバネロみたいにお元気でした。野木さん、前回にも増して、とても楽しかったです。チロルチョコレート、ありがとうございました。




(声を発しないものを愛する習性が私にはあって


声を発しないものを愛する習性が私にはあって
誰の記憶にも残らない一本の中くらいの
裏側に傷のある樹木のように
彼らがこちらを見もせずにただ歩いて横切っていくさまを
立ったまま見ているだけの日もあって
そのことが幸福だった
おそらく惑星が傾いだり
ひとつのなにかの世界が消え去ってしまうときにまでも続くくらいの幸福が
裏側に傷のある中くらいのおかしな形に崩れそうな樹木を
支えていたのかもしれない

                    ( 『ヒムル、割れた野原』 より)






野木 京子(のぎ きょうこ)

1957年 熊本県坂本村(現八代市)に生まれる
立教大学文学部英文学科卒
主な著書 『銀の惑星その水棲者たち』(矢立出版)(1995)、『枝と砂』(思潮社)(2000)、『ヒムル、割れた野原』(思潮社)(2006)
「マンドラゴラ」「スーハ!」同人
詩誌「スーハ!」のブログ: YOKOSION BLOG
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by hannah5 | 2008-06-27 21:57 | 詩のイベント | Comments(0)

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