無題
2004年 11月 09日
寂しさが逃げて行かない
寂しさにつかまってしまった
たった一人の恋人さえも去らせてしまった苦しみが
綿のように広がってゆく
ふっくらとした光の中で
一つの言葉を見失ったまま 私は
砂時計の音ばかりを聞いている
ああ この風は
いつかも囁いて通りすぎて行った
喜びだけで迎えたのはいつのことか
夢の中で・・・
こんなにも優しく吹く風も
もうまっすぐに聞くことができない
(1978.3)
by hannah5 | 2004-11-09 00:07 | 萌芽(before 1997)