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入 眠   


傾きかけている記憶の隅に
わずかな光を見つけて
坐る
さざめくように流れている風が
小さな光の群れを
ちろちろと揺らしていると
あたりがしだいに薄らいでくる
耳鳴りのように聴こえていたざわめきが
ひとつずつ音を消しはじめる
小さな痛みが呼ばれ
浮きあがり
散っていく
遠すぎて届かないものたちが
永遠に姿を消そうとしている

たましいが落ちていく
無音のいちばんふかいところに
綿のようにふかぶかと

by hannah5 | 2008-11-08 01:18 | 作品(2004-2008)

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