2005年 02月 08日 ( 4 )   

春になったら   


君の詩を見ると涙が出ちまう
君が寂しいわけでもないのに
君が悲しいわけでもないのに

幼い君がひとりで眺めてたつくしんぼう
つくしんぼうになれたらいいね
でも つくしんぼうになることなんてできないから

今度つくしんぼうが出たら
一緒に眺めてもいいですか

つくしんぼう ・・・
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by hannah5 | 2005-02-08 23:58 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

ありがとう   


私のペースに合わせて歩く人
私の涙をぬぐう人
私が疲れると
立ち止まって私が追い着くのを待つ人
私がまちがえた注文を一緒に食べる人
恥ずかしい私の心の奥に分け入って
じっと佇んでいる人
穢い所も
足りない所も
できない所も
届かぬ思いも
正直に見せて
私に嘘をつかない人
ありがとう 私を愛してくれて

(1991.2)
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by hannah5 | 2005-02-08 09:54 | 萌芽(before 1997) | Comments(14)

終わりのない道   


どんなに楽しくても
必ず終わりを予感することがある
どれほど気の合う友人でも
いつかは離れて行くのが見えることがある
かわいかればなつく犬
世話をすればきれいに咲く花
練習すれば必ず上手になるクッキー
読み込めば面白くなるシェークスピア
しかしなぜかは知らぬが
必ずどれもこれもやがては去って行くことを
その初めにいつも予感していた
出会って去って行かなかったものがあっただろうか

積み上げても積み上げても
一向に積み上がらない関係をもった人がいる
恋人のように甘い言葉をささやくわけでもなく
愛人のようにかこわれるでもなく
友人のような友情もなく
その時は真摯な態度で言った言葉が
必ず嘘になり
さりとて嘘をつくつもりなど初めからなく
死の痛みを味わい
這い上がれないほどの暗闇で泣き
妻に嫉妬し
まわりの者すべてに嫉妬し
それらを忘れて夢中になって愛し
憎み
いとおしみ
積み上がらない人間関係を嘆きながら
それでもその向こうに
永遠と言えるほど長く続く予感がするのはなぜだろうか

(1992.2)
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by hannah5 | 2005-02-08 09:53 | 萌芽(before 1997) | Comments(7)

一人の時間   


ひとが仕事をする
私が仕事をする
社会に向かって投入している二つのいのちが
呼応し合い、息をしながら
また仕事をする
ひとの魂が私のいのちに向かって
ぬくもりと生命力とを伝えてくれる
私の中の楽しさが空気の中に溶け出す

ひとはその肉体の奥から私に向かって呼びかける
私は女を呼び起こし
女になって
女のままで
ひとつひとつの呼び声に応える

二人の時間がいい
何よりもいい
けれど一人になって
私が私を回復する時間もいい
混乱した頭と熱を帯びた思いを沈め
それらの下敷きになっていたひとへの優しい思いを
再び見い出して
胸の裡にあたためることができるから

(1991.2)
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by hannah5 | 2005-02-08 09:51 | 萌芽(before 1997) | Comments(0)