カテゴリ:詩のイベント( 232 )   

緑の中の歴程フェスティバル   


「第一回歴程初夏の朗読フェスティバル」(歴程社HP参照)が自由が丘の大塚文庫(東京都目黒区自由が丘3-6-25)で開かれたので行ってみた。

大塚文庫は賑やかな自由が丘駅周辺を抜けて、徒歩10分ほどの閑静な住宅街の中にある。純和風の概観の建物の中は、茶室ありギャラリーありで多目的な用途に使用できる。3階からは富士山が一望できる。受け付けで入場料を払うと、川口晴美さんがにこやかに靴を入れるビニール袋を渡してくれた。30分ほど遅れて着いたので、プログラムはすでに始まっていた。(第一部(1時~) 和合亮一、相沢正一、田中一夫、葦田ゆき、黒岩隆、磯村英樹、高見沢隆、新藤涼子/第二部(2時30分~) 北爪満喜、浜田優、靍見忠良、北浜光男、関富士子、山口真理子、高貝弘也、三井葉子、粟津則雄/第三部(4時20分~) 川口晴美、伊武トーマ、日高てる、八木幹夫、高橋順子、野村喜和夫、那珂太郎)

コンサートや芝居や映画や室内楽の演奏など、芸術を愛する人たちが集まる場所には昔からけっこう出入りしてきたが、詩を愛する人たちだけの集まりに参加するのは、前回の「現代詩フェスティバル」に続いて2回目だ。詩が朗読されている間、言葉は自分の中でさまざまな音や形や印象を残している。言葉を愛する人たちの集まりにはそのことが共通の体験となっていて、じっと聴き入っている人たちの顔を見ながら、これはかなり贅沢な時間の使い方だと思った。

詩は普通、紙の上に書かれていてそれを目で読むわけだが、音読される言葉を聴くと、言葉そのものの在り方を考えさせられる。私たちは最初に誰かがしゃべっているのを耳で聴いて言葉を覚える。言葉はそうして始まるのであり、書き言葉は後から生まれたものだ。だから、詩の朗読を聴くという行為は言葉本来の在り方なのだと思う。

詩を読む行為は詩を書く行為とはまったく違う迫力がある。声の調子や顔の表情、詩を読む人が持つ全体の雰囲気、背景に使われる音楽や部屋の雰囲気、そして何よりも詩を朗読する人の思いが伝わってくる。それで思ったことだが、詩人は一般的に読むのが下手だということである。あがっていたからなのか慣れていないせいなのか、声が内にこもりがちで、こちら側にインパクトとして伝わりにくかった。普段一人で書くことが多いせいか、朗読された言葉が聴く側の魂を掴んだり離したりしていることが理解できていないのではないかと思う人が多かった。

その中で、もっとも朗読が上手いと思ったのは川口晴美さん。読み方に表情があって引き込まれた。日高てるさんはすべて暗記されていて、間に説明を入れながらすらすらと唱詠されたのにはさすがというか、驚いた。高橋順子さんは声があたたかくてよかった。野村喜和夫さんは相変わらず詩が上手くて時代の先を行っているし、心から賛辞を送りたい。そして、85歳になられるという那珂太郎さんの日本語はとても美しかった。

全体として、詩の朗読もなかなかいいと思った。私もこれから自分の詩を朗読する機会をなるべく見つけてみようかと思う。

最後に。窓々から見える緑がとても印象的でした。


(6/4 言葉が粗削りなので、全般にわたり訂正しました。)
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by hannah5 | 2007-06-03 23:42 | 詩のイベント | Comments(8)

刺激的 「現代詩フェスティバル」   


今日は夕方4時から、世田谷パブリックシアター(東京、三軒茶屋)で行われた「現代詩フェスティバル 2007 ~環太平洋へ~」に行ってきました。(4月21日(土)、22日(日))

本日の出演者は、日本からは吉岡剛造、野村喜和夫、キキダダマママキキ、小笠原鳥類、関口涼子、中国から田原、于堅、アメリカからマイケル・パーマー(Michael Palmer)、石田尚志の映像「部屋/形態」(野村氏とのコラボレーション)、ダンスの伊藤キム(敬称略)と多彩な顔ぶれでした。詩のイベントと言われるものに初めて行きましたが、詩も映像もトークも全部刺激的で全神経全開で聴き、大いに楽しませていただきました。

日ごろから詩は活字だけの平面的なものであるはずはない、もっと立体的であるはずだと思っていた私は、自作の詩を声に出して朗読するだけでなく、全身のパフォーマンスや映像とのコラボ、ダンスによる表現、外国語と日本語のコラボなどによって表現されているのを見ながら、終始どきどき、興奮しっぱなしでした。

吉増剛造さんが「詩を書いている最中に手が止まってしまった、これで詩作は終わりです」と言われて、皆から惜しまれていました。これから氏の作品をゆっくり読もうと思っていた私はちょっと寂しかった。でも、もしかしたら、また書かれるかもしれませんね。野村氏の言葉を借りれば、「たくさんの最後がある」そうですから。

野村喜和夫さんの 『現代詩手帖 野村喜和夫詩集』 を持っていたので、野村さんからサインをいただきました^^ 小笠原鳥類さんは意外と細くて声が高くて、それに若い!(笑) 緊張していたせいか、鳥類さんはものすごいスピードで詩を読み、途中からスピードを落として読まれました。

いろいろな方たちが見えてました。城戸朱理さんも見えてたし、一色真理さん伊藤浩子さんにもお会いしましたよ。みつとみさんも見えていたけれど、途中で見失ってしまいました。他にも詩と思想研究会の方たちが何人かいらしたみたいです。

私は明日は行けませんが、もし関東近県にお住まいの方でお時間のある方はぜひいらしてみてください。明日の出演者は和合亮一、城戸朱理、平田俊子、近藤達郎、藤井貞和、白石かずこ、翠川敬基、マイケル・パーマー、ヤン・ローレンス、ジョン・マティア、ダンス「スリッピング・グリンプス(A Slipping Glimpse)」があります。(午後2時から)(当日券3500円)

言葉っていいな、詩ってやっぱりいいな、とどこまでも感じ入って帰宅した次第です。


世田谷パブリックシアター
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4-1-1(キャロットタワー3F)
【電話】(03)5432-1526
お問い合わせ: アトリエ・エルスール 【電話】(03)5376-8260
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by hannah5 | 2007-04-21 23:43 | 詩のイベント | Comments(6)