カテゴリ:投稿・同人誌など( 147 )   

日本現代詩歌文学館   


岩手県北上市に日本現代詩歌文学館というのがありますが、そこでは明治以降の詩・短歌・俳句・川柳に関わる個人・合同の作品集、評論、研究所、随筆、その他関連図書、および詩歌総合誌、同人誌、会員誌、個人誌など、作者の有名無名を問わず収集しています。永年書庫で保存され、希望に応じて閲覧することができ、著作権の範囲内であればコピーもしてもらえます。(日本現代詩歌文学館資料より)。

「有名無名を問わず」とあるので、先日発行したPriceless を寄贈したところ、早速文学館から会員証や館報、お知らせなどが送られてきました。(寄贈すると自動的に会員登録されるらしいです。)館報は年3回発行で、送料として80円切手を送ると1回分を郵送してもらえます。館報には文学館の活発な活動の様子などが書かれていて興味深く読みました。

以前、もしやと思い、母の歌集 『水音』 が文学館に寄贈されていないか問い合わせてみたところ、槻の木の同人のどなたかが寄贈してくださっていたらしく、ちゃんと保管されていることを知り、嬉しかったことを覚えています。(母は槻の木の短歌会の同人でした。)

もし皆様のお手元にまだ寄贈していない詩集や歌集、句集、同人誌などがありましたら、日本現代詩歌文学館に寄贈されると喜んで受け付けてもらえます。自分の作品集がきちんと保管されて将来まで残るのは嬉しいことですね。

日本現代詩歌文学館:
〒024-8503 岩手県北上市本石町2-5-60
Tel 0197-65-1728 Fax 0197-64-3621
E-mail shiika@shiikabun.jp
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by hannah5 | 2011-02-20 17:36 | 投稿・同人誌など | Comments(0)

詩誌 Priceless   


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個人詩誌Priceless
本日発売
定価500円
(携帯写真の感度が悪いので裏表紙だけお見せします)

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by hannah5 | 2011-02-11 15:01 | 投稿・同人誌など | Comments(4)

鼓膜をほぐして   


         もしかしたら
         言いたいことを忘れてしまった
         しばらく前から
         本当はたくさんあった
         言おうと思っていたこと
         言うはずだったこと

私の中で音がしていた
私が生成されたばかりの頃
細胞分裂が始まったばかりの核に近い球体の中で
初めて鳴った音
体の奥のどこか仄暗い所で鳴り続けていた
それからずっと

耳を澄ますことをどこかで見失った
雑踏の中を歩き回っているうちに
足元から立ち上ってくる雑音に気を取られ
喧騒の中から湧いてくる騒音に呑み込まれ
鼓膜がすっかり硬くなってしまった

右を聴くことは正しくなかった
左を聴くことも正しくなかった
もとより初めから

気を取られているうちに仮面が付いていた
その仮面を剥いで別の仮面を着けてみる
居心地がいいかどうかよくわからない
なんとなく仮面の顔になった気がする
不器用な手つきで仮面を剥がす
また別の仮面を着けてみる
どれかが私のオリジナル
のはず

鼓膜をほぐしてじんわりと
今も鳴っているはずの音に焦点を合わせて
聴く

(旋律26号所収)
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by hannah5 | 2011-01-16 01:53 | 投稿・同人誌など

灰いろの眼   


滑っていく母の意識を撫でつける
今日はお風呂の日
忘れていたクリームを
顔じゅうに薄く引き伸ばして
そこはかとなくここに戻ってくる
底なし沼のように沈んでいた目の中に
やっと灯りがともる

それからわたしは
遊び疲れたイソギンチャクみたいに
ベッドの横のわずかな隙間に
どぼん、
と飛びこんで
しばらく漂っている

ほんとうは
ミルクいろした海の中にいるはずだったのに
今日の母は
洗いざらしの漂白したシーツを広げたまま
どこまでも沈んでいく

わたしは誰ですか

覗きこんだ海の中で
薄い灰いろの眼を見開いたまま
わたしの質問も沈んでいく

息継ぎを少ししてから
古い童謡をいくつか
油の切れた蓄音機みたいに歌う
小さなじゃんけんぽん!と
あいこでしょ!をして

わたしたちはゼリーのようにくっついたまま
ふつふつと
半透明の海の中

(旋律26号所収)
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by hannah5 | 2010-12-28 12:28 | 投稿・同人誌など

旋律   


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旋律26号が出ました(長崎ラ・メールの会発行)。
私は「灰いろの眼」と「鼓膜をほぐして」で参加させていただきました。
招待作品は野木京子さんの「ウスズミ」です。
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by hannah5 | 2010-12-26 00:38 | 投稿・同人誌など | Comments(0)

かさぶた   


淀んだ甘い痛みがあって
爪の先でチ、とほじくってみる
まだ乾ききらないかさぶたのように
触れただけで血が出そうな鋭利な痛みを感じる
チチ、
ほじくっていけば
悔恨と感傷が膨れあがってかさぶたを押し上げてしまいそうで
それ以上ほじくるのをやめた

父さんに関するかぎり
悔恨と感傷に浸ることは正しくなかった
それらに浸ってみても
しぃんと染み込ませてはくれなかったからだ
乾いた無感覚をかぶって一晩寝てしまえば
かさぶたの下をとうとうと流れる川を見つめて物思いにふけることもなければ
やわらかなぬかるみに足を取られてずるずると沈むこともない
それよりもっと実になる話をしよう
明日はどこまで感傷を乾かすことができるかとか
どこまで滲み出る血を吸い取ってかさぶたを固くすることができるかとか
かさぶたが乾いてぽろりとはがれるのをどこまで見届けることができるかとか

今こうしてあるのは
かさぶたとその下の薄暗い川を見ないでいられるからだ

それでもたまには
-誰からも振り向かれなくなった頃
突然胸倉をつかまれたように
チチチ、
とほじくり返してみることがある
ほとんど馴染みのない夜の深みに丸ごと飛び込んで
何も聞かずにやり過ごしてきた質問をぶつけてみる

ねぇ、わたしたちは同士だったはずだよね
なんで先に行っちゃったんだよ?

(狼+18号所収)
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by hannah5 | 2010-12-11 13:52 | 投稿・同人誌など

44詩誌プロジェクトでご紹介いただきました。   


狼+18号に参加させていただいた「魚屋のさかな」を
44詩誌プロジェクトの詩誌詳細で紹介していただきました。

紹介してくださったみつとみさん、ありがとうございます。
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by hannah5 | 2010-12-05 23:58 | 投稿・同人誌など | Comments(0)

狼+18号   


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狼+18号が発行されました(編集発行者は狼編集室の光冨いくやさん)。
私も2篇参加させていただきました。(「魚屋のさかな」「かさぶた」)
参加者がいいですよ~
志久浩介さんがデザインされた表紙もすばらしいです。

この詩誌を希望される方は狼編集室までメールにてご連絡なさってください。
mitsutomi@kfx.biglobe.ne.jp.
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by hannah5 | 2010-11-24 23:39 | 投稿・同人誌など | Comments(2)

現象   


過去が気球のようにがらんどうになっている
明るい乳白色の空気に覆われたその空間は
なんだかとても清々としていて
すっぽりと根こそぎ抜き取ってしまったように存在感がなく
一体わたしはどこをどう通って現在にたどり着いたのかわからないほど
空洞になっている

わたしは確かに過去のある一点で現れ
それ以来ずっと続いてきて
自分の色を染み出させてみたり
だれかの形をもらって自分流にアレンジしてみたり
ころころと息の粒を吐き出しては消滅させたり存在させたり
わりと地上すれすれに歩いたり走ったり移動したりしてきたと思うのだけれど

この前中学の同窓会があって
今まで一度も出たことがなかったから
― 憂鬱な時代でもなかったけれど
― 小さな裂け目が連続していたのを思い出して懐かしむほど後ろ向きでもないし、でも
このあたりで一度くらいは顔を出しておこうと思って行ったのだけれど
あの時はああだったねというのと現在はこうなんだというのをひと繋ぎにして
それらしい顔をして笑っていることがどこか遠い世界の話みたいで
わたしは結局あの人たちのようにまだそこには到達してないみたいで

かすかなずれが薄い膜を張った

「Aちゃん、どうしてたの?
KちゃんとTちゃんでAちゃんどうしてるんだろうねって話してたんだよ」
本当は懐かしそうな嬉しそうな顔をして
薄い膜なんか一気に破いてしまえばよかったのだろうけど

ガラスって壊れやすい
握っていた時間がある日
パリン!と粉々に砕けてしまったら
それまでそこに映っていた過去も現在も未来も
ぜんぶ砕けて散ってしまう

それ以来
足取りはずっと空っぽなんだ

(新現代詩11号所収)
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by hannah5 | 2010-11-02 19:09 | 投稿・同人誌など

詩と思想   


詩と思想11月号で「わたしが知っているのは」に佳作をいただきました(新延拳、斉藤恵子選)。
選者のお二人から同じような評価をいただきました。
なるほど、そうかもしれないな~と思いながら評を読みました。

                        *

詩を書くことはどこか綱渡りに似ている気がします。
自分の感情やテクニックやその他諸々の一切に頼らずに、
言葉という綱だけに全体重を乗せて歩いていく。
自分の思いに言葉を誘い込んでもだめだし、言葉だけ操ってもだめです。
余計な思いをすべてそぎ落として、言葉の真っ只中へ飛び込み、言葉がもつ気迫と霊気を浴びて立つ。
詩を書くとはそんな行為であるように思います。
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by hannah5 | 2010-10-26 01:23 | 投稿・同人誌など | Comments(0)