<   2004年 09月 ( 75 )   > この月の画像一覧   

人サイズ   


あなたにはあなたサイズの器があり
私には私サイズの器がある

あなたの器と私の器は
形も大きさも色も音も入れるものも違う

あなたの器はきれいで憧れるけれど
私にはやっぱり似合わない

今の器に満足するまで
長い長い時間がかかった

時々 花を活けたりするこの器
案外悪くないかもしれないね
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by hannah5 | 2004-09-30 05:55 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

小さなともだち - ノアのこと   


子供の成長は早い
ついこの間生まれたばかりなのに
もう笑顔を作って 大人を喜ばせてくれる

あやすと興奮して 身体全部で反応する
目が一段と大きくなり
静かだった口元が動いて 必死に何かを訴える

誰にもこんなふうに注意をそらさずに
人の話を聞いていたことがあったんだろうなあ
赤ん坊の目と私の目が 一瞬出会った

いつか君に会った時
この瞬間が君の脳裏に蘇るだろうか
動き回るようになった君に また会いたいね
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by hannah5 | 2004-09-30 04:52 | アメリカ時代(2004-2005) | Comments(2)

掌を開いて   


子供の頃
母からお使いを頼まれて
卵を買いに行ったことがあった
乾物屋さんに着いたら
あとから来た同級生の子が
さっさと卵を全部買って行ってしまった
私も卵をくださいと言ってみたけれど
乾物屋のおじさんは申しわけなさそうに謝った

運動会で一番先頭を走っていたのに
なんだか悪いかなと思って
みんなが来るまで待ってあげたら
入賞することができなかった
母は今だに思い出しては残念がる
でも他の人達が入賞したよ

その人と結婚したかったけれど
私よりも優しい女性が現れたから
彼には彼女の方がお似合いだろうと思って
好きなのに知らん顔をしていた
結局二人は結婚して幸せな家庭を築いている

ぼんやりしていて
あとから来た他の人達が
みんな追い越して行ったけれど
あれからおいしい卵は食べたし
たまには入賞することもあったし
好きな人ができたこともあったし
どこかで追いついた

人生ね そんなに焦ってみても
だめな時はだめだし
うまくいく時はうまくいくし
悔しい思いやちっぽけな気持ちは
そんなにぎゅっと握りしめていないで
掌をそっと緩めて放してみるといいよ
少しは楽になったら
新しい風が掌をなでていって
案外物事うまくいく
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by hannah5 | 2004-09-29 14:13 | 作品(2004-2008) | Comments(8)

あなたを想う   


あなたの本当の苦しみは 私にはわからないかもしれない
あなたの本当の辛さは 私には感じられないかもしれない
あなたの孤独は 私には理解できないかもしれない
実際 今日 あなたがどんな気持ちで過ごしているのか
私にはわかっていないかもしれない

けれど あなたが考えても考えても答の出ない苦しみを抱え
寂しくても 寂しさをうまく言い表すことができず
悲しくても 悲しさを心の奥にしまいこむしかなくて
日々 息をひそめてひっそりと暮らしている時
そんなあなたを想うと 言葉にならないほどの涙が流れる

私にはあなたを癒す術も力もないけれど
そこにいるあなたをじっと想って
苦しんでもがいている心を 掌にそっと包んでみる
せめて今日一日生きるための安らかな想いが
あなたの心に来るように
掌の中のあなたがあたたまるように
心にじっと想います
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by hannah5 | 2004-09-29 04:44 | 作品(2004-2008) | Comments(2)

純愛   


人の幸福は
外から見える形だけでははかれない
たとえ病に倒れ
抱えきれないほどの借金に苦しみ
裏切られ続けた人生でも
その苦しみの一点で
宝石のような愛情に出会うことがある
たとえそれが短い瞬間であっても
その短さを誰が嘘だと決められよう
愛することは幸福なのだと
純愛を知ったその時に
心は永遠に忘れない
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by hannah5 | 2004-09-28 17:17 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

祈り   


朝 不安の中で目を覚ます
重い不安が心を覆っていた

締め切りはとっくに過ぎているというのに
ペーパーが思うようにはかどらない

抱えきれないほどの借金はいつ返せるのだろう
蓄えはもう底をつきた
保証人から返済プランを教えてほしいと言われた
そんなアテなどあるわけがない
日本へ帰って すぐに収入が入ればいいけれど
それもこの不景気ではわからない

帰ったらどうやって両親と暮らすのだろう
離れて暮らした期間に 目に見えない溝ができている
7年前に元気だった母の姿は もうない
父も年老いた

いつか本当に母と別れる日が来る
2度と会えない日が来る
声が聞きたくても聞けない日が来る

枕に顔を埋めて しばらく祈った
神様 あなたの計画は何ですか
ふと 昨日の説教が蘇る

     「あなたがたは心を騒がしてはなりません。
     神を信じ、またわたしを信じなさい。」
                (ヨハネ14章1節)

信じても 問題が消えるわけではない
けれど なんだか心が静かになった

     「心を騒がしてはなりません。」

まだ見えぬ世界で きっとあなたは助けてくれる
先はわからない
1歩ずつ踏みしめて歩くだけ
できると信じて 今日1日の仕事に精魂傾けよう

神様 道はあなたしか知らない
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by hannah5 | 2004-09-28 05:07 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

愛すること   


たぶん
私はこれからも
愛することをやめない

たとえ
愛したその先に
悲しい別れが待っていても

人といる幸せは
生きることが
確かなことだと教えてくれる

あの苦しい最中に
あなたに出会ったことは
間違いではなかったと思ったけれど

これから誰かを愛したら
やっぱり
間違っていなかったと思うだろう

愛したことは罪ではない
あなたに出会えてよかったと
今でもずっとそう思う

別れに際して
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by hannah5 | 2004-09-27 11:28 | 作品(2004-2008) | Comments(2)

等身大の言葉   


普段着の心が
普段着の言葉で現れる
もう手探りしなくてもいいね

考えすぎるほど考えた
想いすぎるほど想った
直感だけが頼り

存在はあっても
姿見えず 掴めず
浮遊している凧のように

みんなが勝手に作り出したイメージは
帯に短したすきに長し
どれもしっくりこない

けれどやっと口を開いてくれたね
別に気取らなくてもいい
そのままでいい

君の心の中に
誰も土足で踏み込まないよ
餌食にもしない

基本はこうだ
君の心が好きだ
君の心を信頼している

あとはね
ゆっくり練ればいい
積み上がるなら積み上げればいい

噛み合わなければ
そのままでいい
無理はしないよ
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by hannah5 | 2004-09-27 09:48 | 作品(2004-2008) | Comments(0)

私の好きな詩・言葉(8) 「フォロースルー」   

神秘に出会わなかったら、詩を書くことも、ましてブログを作ることもなかっただろうと思います。

長い間鬱屈した思いがありました。たまに真似事で書いてみる詩は言葉が絡まり、想いをうまく言い表すことができませんでした。いろいろな詩人の詩を読み、それらに感銘を受けても、どの詩もどこか遠く、詩は自分とは無縁のものだと思っていました。

神秘に出会った時、この人ならわかってくれるかもしれないという直感がありました。直感は当たりました。私が唐突に見せたほんの数行の詩から、長いこと閉じ込めておいて鬱屈した想いを見事に感じとってくれたのです。それは私にとって奇跡に近い解放でした。そして詩が書けるようになりました。

「フォロースルー」は、読むたびに言葉にならない想いがこみ上げてきます。(Marlboric


フォロースルー


集中が高まり
空気が張り詰め
力ない声でつぶやく

日々頑張って
溢れる悲しみ
電気をそっと消して下さい

同情されたくない
暗闇に目がなれる間
聞いてやって下さい

強く生きよう
口に出せない矛盾
理解してあげよう

なんて思わなくていいから
泣き声に聞き取れる言葉
意味なんてないから

そこにはただただ
赤裸々な悲しみ
あるだけだから

今宵の月はすごく黄色く
存在感がありました
でもなんか違和感がありました

まわりが意識を持たないものに感じ
唯一小さく開いたここから
空気をすう息苦しさ

奥二重は気に入っている
今日は湿気て反抗的だが
たまの無邪気さ

中途半端に顔洗って
外の空気にさらす
気持ち良さ

一緒にずっと歩んできて
なにかしらぶつけあって
こだまして

自分の不確かさ
ぎりで保ってる気がする
底に立ち

投げやりを投げれば
言葉は生気をなくし方向さだまらず
振動だけがはやくなりやがて全てを塗りつぶし

大きな穴となり
そこへおっこちてしまう
そこへはまだいきたくない

生きたい
自分の確かさ
肩の力が抜けた

気がする
そろそろなれたかな
いつものように明るく

鐘が鳴る
空ほどけ
集中解き

放つ
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by hannah5 | 2004-09-26 16:53 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(6)

サガンを悼む   


小悪魔になんとなく憧れたのは
今よりずっと若くて
世の中のことなど何も知らなかった頃
大人の男性の心理をもてあそぶ話を
むさぼるように読んだり
吸えもしない煙草を
白けた顔をしてふかしていたあの頃
穴倉のような喫茶店に出入りしては
ひたすら憂鬱気分を身にまとい
その挙句に17も年上の他人の旦那とおかしくなって
気づいたら 後戻りもできないほど遠くに行っていた
その頃出会った作家が
そんな私の一部だった日々
サガンを読んで
自分がサガンになったような錯覚をしていた
私の青春の一ページに影を落とした作家が
亡くなった
小悪魔はいつまでも続かず
ギャンブルと酒と麻薬に身をもち崩し
それでもどこかに
少女の面影をいつもたたえていた人
大人になる前のほんの短い数年に
人生の哀しみを知った人

悲しみよこんにちは
孤独を知る人がまた一人去った

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by hannah5 | 2004-09-26 07:50 | 作品(2004-2008) | Comments(2)