<   2005年 02月 ( 55 )   > この月の画像一覧   

セピア色にならないページ   


時間の向こう側と時間のこちら側を隔てるものはなに?
空白を一足飛びに越える
セピア色にならないページをめくれば
風も音も色も心をときめかせている
タイムマシンを発明したのは
今と色褪せないページがコラボレーションしたとき
タイムマシンに乗ってやって来た国で
新しい季節のにおいを嗅ぎながら暮らす
空白などなかったかのように

時間は魔法のように伸びたり縮んだりする
セピア色にならないページをたくさんめくった日は
優しい友人に出会った日に似ている
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by hannah5 | 2005-02-23 13:21 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

来客   


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濡れそぼつ雨
いくつかの春の足跡

けれどその朝
春はやって来なかった

冷たい空気の中で
梅は忘れずに咲いてくれたが

優しい知らせをもってきてくれるのはだれ?

ああ、うぐいす色のかわいらしさよ
いじらしく梅の花をつついて蜜を吸う

春告げ鳥が教えてくれた
冬が帰り支度を始めたと

メジロ
写真提供: 黒ごまさん
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by hannah5 | 2005-02-22 20:21 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

こすれた午後   


かみ合わず
こすれて苦い午後
大きさも速度も違う車輪を組み合わせて出発
エンストは起こらなかったが
不完全燃焼の排気ガスがもくもくあがる
運転手は席に坐らず
背後からエンヤエンヤと押すものだから
方角が見えないまま空回りをくり返す
綱をつけて引っ張るには少々重い
温度差の違う物差しで細部を点検するのは
今日だけの営みらしい

考えてみても始まらない
ファンベルトが切れてしまう前にエンジン停止
今日は曇り
でも きっと明日は晴れ
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by hannah5 | 2005-02-22 19:50 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

浅い春   


春まだ浅い港にはかすかな痛みが残っていた
思い出ははるか彼方に行ってしまったけれど
あなたを想って過ごした時間は
いつまでも波間を漂っている

桟橋はあの時より賑やかになった
風もずっと穏やかになった
あなたと過ごした時間を知る人たちも
もういない

どのくらい海を見つめていたのだろうか
言葉も交わさず
嬉しさと悲しさを交錯させたまま
抱き合ってとめどもなく歩いた

路地裏の街灯の下に山茶花が浮かび上がった
港の灯りがぼんやりとにじんだ
冷え切って疲れた体をもてあましながら歩いた
長い長い坂道

あなたは知っていたのだろうか
いくつもの季節が過ぎ
いくつもの思い出が流れても
ひとつの痛みが去らないことを
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by hannah5 | 2005-02-21 01:06 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

私の好きな詩・言葉(29) 「詩篇121編 都上りの歌」   

詩篇は聖書の中で、もっとも愛読されている書です。詩篇には、人生の喜びや悲しみ、苦しみ、恐れ、失望、落胆、迷い、疑い、弱さ、喜び、期待など、人間の気持ちが赤裸々に描かれています。毎朝、詩篇を1編ずつ読むことを習慣にしている人もいるほどです。

人生には楽しいこともある反面、窮地に陥って苦しみもがくことも多いです。大きな山が目の前に立ちはだかってどうにも動きが取れず、日夜悩むということもこれまで何度となくありました。そんな時、いつ思い出すのが121編の「都上りの歌」です。

詩篇121編はエルサレムに巡礼に上る詩人が、神の助けを仰ぐ詩です。当時は山賊にも襲われる可能性のあった旅、その旅に出る不安を言い表し、しかし、最終的には天地の創造者なる神に信頼するようになります。苦しい時、どこからも助けがない時、私はいつも121編を思います。


詩篇121編 都上りの歌


私は山に向かって目を上げる。
私の助けは、どこから来るのだろうか。
私の助けは、天地を造られた主から来る。
主はあなたの足をよろけさせず、
あなたを守る方は、まどろむこともない。
見よ。イスラエルを守る方は、
まどろむこともなく、眠ることもない。

主は、あなたを守る方。
主は、あなたの右の手をおおう陰。
昼も、日が、あなたを打つことがなく、
夜も、月が、あなたを打つことはない。
主は、すべてのわざわいから、あなたを守り、、
あなたのいのちを守られる。
主は、あなたを、行くにも帰るにも、
今よりとこしえまでも守られる。

English version
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by hannah5 | 2005-02-20 17:14 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(16)

19才の僕の恋   


僕は案外つかめているけど
大人になっても自信のない君

僕はかなりマジメに恋愛しているけど
マジメかどうかもわからない年上の君

僕はかなり君に優しいけれど
君は自分の都合ばかり押しつける

いつだって呼び出されるのは僕の方
メールを送っても君の返事は三日あと

二人の時間は甘くて切ないのに
君はなぜだかずっとうつろ

君が好きだって言うから期待したのに
いつの間にかもう飽きてしまった君

一人の時間が来るなんて思ってもみなかった
一人の時間は退屈で苦しいだけ

僕はあれから君のことをずっと覚えている
君は今ごろ当てもなく人生を探しているんだろうか
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by hannah5 | 2005-02-20 16:25 | 作品(2004-2008) | Comments(17)

  


今日はきっと悲しみが
心の中を溢れてしまう

涙さえ忘れてしまった記憶の中で
とめどもなく悲しみが渦を巻く

目をつぶれば
一気に呑み込まれてしまいそうだから
心にそっと耳打ちをする

夜がどんなに長くても
朝は光を携えながらおりてくる

一人ぼっちの悲しみは
夜明けとともに立ち去って行く

かなしい
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by hannah5 | 2005-02-19 23:41 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

みことば   


たとえ夕べの夢が悲しいものであっても
今朝 主から新しいパンをいただこう
主のテーブルに用意されるのは
天の御国で作られたばかりの新鮮なマナ

朝ごとに主がくださるパンは
甘く 芳(かぐわ)しく
悲しい夢を拭い去り
萎えた希望をよみがえらせる

たとえ苦しみに胸ふさがれることがあっても
主のパンは今日一日を生きる糧(かて)
険しい山道を歩き
道を切り開いていくための力の源

たちはだかる困難を打ち砕き
急な勾配をなだらかにし
生い茂る雑草を焼き払い
曲がりくねった道をまっすぐにする

私の心に知恵が浮かばないときに
主は知恵をもって臨み
知識が錆びついてしまったときに
私の思いをはるかに超えた知識をくださる

主のみことばは永遠の真実
朽ちることのない宝
闇の中でも消えることなく耀き続ける
主の御名にとこしえまでも誉れあれ
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by hannah5 | 2005-02-19 14:01 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

  


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                 僕たちは海の深さを知らずに生まれた
                 世界が海の向こうに果てしなく続くとき
                 ただ黙って いのちの音を聴いていた

                 僕たちは空の広さを知らずに生まれた
                 空が淡い光を含みながら広がるとき
                 じっと坐って いのちの息を聞いていた

                 記憶の底にあるのは太古の鼓動
                 空と海が創造された日々は
                 たしかにいのちに刻印されている

                 僕たちはとめどもなくおしゃべりをした
                 広い空の下の僕たちが
                 まるで空の一部になってしまったように

                 それから もうおしゃべりをしなくなった
                 空の果てと海の果てがひとつになったとき
                 僕たちは新しいぬくもりを呼吸していた

世界は
photo by こーさん
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by hannah5 | 2005-02-18 12:03 | 作品(2004-2008) | Comments(18)

無音   


ひとつになって溶け合う心の
透明で静かな波の中に
あなたの姿をした私と
私の姿をしたあなたが
ひとつになり
二人になり
またひとつになる
私の中の愛するあなたの
熱く優しい思い
私の湖が
あなたの湖に流れて
どこまで行っても地平線の見えない
大きな湖になった

波が寄せる
波が返す
波がうねる
波が沈む

(1991.5)
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by hannah5 | 2005-02-17 13:27 | 萌芽(before 1997) | Comments(10)