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あなたの歌が聞こえる   


広々としたあなたの優しさに
ぬくぬくと心を預ける

冷え冷えとした夜から帰れば
ほっとする歌声ひとつ

いつまでも道に佇み
いつまでも歌い続ける

目を閉じて聞く歌は
耳の底に響いて残り

今日聞いた歌声ひとつ
今日聞いた歌を忘れず

北の果ては
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by hannah5 | 2005-02-02 21:43 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

待つ   


ねぐらに帰り忘れた雲が
夜空の真中で引っかかっている
産み落としそこなった生命はどこか固くて
未練がましく動かない

確かに予兆はある
光とは言えないまでの感覚の先で見たそこにあるもの
思い出すがよい
あれは以前からそこにあって
時の合図を待っているではないか

見失う前にあきらめて忘れてしまえば
失望とともに存在意義を問わなければならない
心に熱を呼ぶがよい
時の向こうに用意された誰にもそれとは知らないものが
正確に心の裡に落ちる日が来る
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by hannah5 | 2005-02-02 21:07 | 作品(2004-2008) | Comments(0)

詩を書いたのは   


私は黙っていた
どうしようもなく長い間
胸の裡に生まれてくる想いが私の中で渦巻いて
放り投げようにも
置き去りにしようにも
どうしたら好いかわからず
体裁を整えて他人(ひと)にあげることも知らず
私はただ黙って生きるしかなかった
一度生まれてしまった想いは死なせるには偲びなく
さりとて埋めるには地中はあまりに深くて
叫び声ばかり響いていたが

うろうろ歩く世の中には
私の胸の裡など聞こえるはずもなく
他人顔が無数に並び
他人行儀ばかりが横行していた
世の中は私を可愛いと言い
心のこもらない慣習を教えてくれた
親切といえばこれほど親切なこともない

存在を失うには未練がありすぎた
道を見失うには失意の真相を信じなさすぎた
お前が悪いとなじってみたところで
お前は応えるものなどもっていなかったからね
あいつが若くして 人生は完了したと 老人のように決め込んでしまった時に
私は生きる意味すら知らなかったのだから

私は黙っていた
どこにも訴える術もなく
すべすべした街の片隅で
原始時代の音が泣く
ぎーご ぎーごと 鈍い音をたてて

詩を書いたのはそんな頃
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by hannah5 | 2005-02-01 21:42 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

キャンバス   


大空に線を一本引くって 気持ちがいいこと

空が青ければ とてもいい
雲がなければ もっといい

たった一本の筆が しゅるしゅるしゅるっ

大空を 右と左に分断する
青空に バージン・ラインを一本入れる

まっすぐな線は どこまでもどこまでも 伸びていく

こんな日は 空も機嫌がいい

夕暮 「童心」
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by hannah5 | 2005-02-01 00:28 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

言葉が涌いてこない日   


言葉が湧いてこない日
じっと貯水池を覗き込んでみる
静かな水の中で
うごめくものがあるだろうか

言葉が想いを伝えない日
そっと製造元を調べてみる
透明なガラスの向こうに
見えるものがあるだろうか

言葉が訪れない日
空に向かって呼んでみる
雲の上から
降ってくるものがあるだろうか

言葉が静かな日
心をひそかに探ってみる
心が自由になる日まで
言葉はきっと黙っているのだろう
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by hannah5 | 2005-02-01 00:17 | 作品(2004-2008) | Comments(2)