<   2006年 01月 ( 29 )   > この月の画像一覧   

天の彼方に   


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                     わきいづる
                       この想い
                         胸の裡より
                           深々(しんしん)と

                     天の彼方に
                       届けよと
                         声のかぎりに
                           高らかに


No.1 GIGOLO
写真: akisuke さん
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by hannah5 | 2006-01-31 16:54 | 作品(2004-2008) | Comments(17)

ふるさと   


考えてみれば
生まれてからこのかた
灰色のコンクリートばかり見て暮らしてきた

草や木が大地に根を張り
空に枝が伸びていくことなんて
ほとんど関心がなくて
代わりに
コンクリートが地面をすっぽり覆い
コンクリートが軒を接して建てられていて
鬼ごっこもかくれんぼもコンクリートの中でやった
初めて出てきた田舎の叔父さんが
「コンクリートの道を歩くと脳天に響いてかなわん」
と言ったことがある

それでも
私にとってコンクリートはやっぱりふるさとだ
山や川や自然のあふれる所から帰ってきても
新宿の高層ビルを見るとほっとする
都心の真ん中を高速道路が突っ切っているのを見ると
自分の住み処に帰ってきたと思う

コンクリートにはお国なまりものんびりした時間もないけれど
コンクリートが作り出す空間には
無機質な美しさと未来の叡智がある
打ちっぱなしのコンクリートでやるライブはいいし
適当にオブジェを置くと
レストランにもカットサロンにもなる

コンクリートを見ていると
未来に向って確実に前進していると
いつも思う
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by hannah5 | 2006-01-29 23:52 | 作品(2004-2008) | Comments(5)

詩の在り処   


都会の真ん中を
ザクザクと 切り取るような
詩が書けたらいい

無関係だったり
知らん顔だったり
こっそり見ているような
詩が書けたらいい

都会の真ん中で
サクサクと かすれるような
音が聴こえる

無表情のような
切ないような
今にも切れそうな
優しさが繋がっている

都会の真ん中は
こんにちはとさようならが
行ったり来たりする

無感覚になれず
喜びの後ろから
悲しみがついてきて
慣れることもできないまま

都会の真ん中に
笑顔がこぼれ
涙がこぼれ
詩がこぼれて落ちる
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by hannah5 | 2006-01-28 23:56 | 作品(2004-2008) | Comments(8)

都会の真ん中で   


コンクリートの林の中を
いろんな形の心が転がっている
踏んづけられたり
拾われたりしながら

黒と白の無機質が
長く伸ばされ
短く縮められて
個性的に統一されている

美しいフォルムの中で
人々が再生をくり返しながら
細く切れない程度に
つながっている

都会で生きているのは
憧れでも情けでもなく
昼も夜も光合成を続ける
スチール性のセンスだ

皆知らん顔して歩いている
街の雑踏を
プラットフォームを
右からも左からも

こんなふうに詩が語られる
都会の真ん中で
都会を切り取りながら
無関係を攪拌しながら
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by hannah5 | 2006-01-27 23:17 | 作品(2004-2008) | Comments(10)

夜が来る前に   


夜が来る前に
よそゆきの着物を脱ぎ捨て
深呼吸をひとつする
固まっていた心がゆっくりと溶け始める

所狭しと並んでいたのは
作り笑いの仮面と
ちぐはぐな思い違いと
窮屈な一方通行だった

私はそれらを振り払い
現実と現実の狭間の静かなひとときを
しばらくぼんやりと浮遊する

優しい時間が佇んでいた
なつかしい思いがよみがえって
どこかで笑い声がしていた

深呼吸をまたひとつする
暗闇に隠れていた悲しみが
ことり と
音をたてて立ち去った
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by hannah5 | 2006-01-27 11:34 | 作品(2004-2008) | Comments(2)

私の好きな詩・言葉(64) 「詩篇 46」(旧約聖書)   


神はわれらの避け所、また力。
苦しむとき、そこにある助け。
それゆえ、われらは恐れない。
たとい、地は変わり山々が海のまなかに移ろうとも。

たとい、その水が立ち騒ぎ、あわだっても、
その水かさが増して山々が揺れ動いても。セラ

川がある。その流れは、
いと高き方の聖なる住まい、神の都を喜ばせる。
神はそのまなかにいまし、その都はゆるがない。
神は夜明け前にこれを助けられる。
国々は立ち騒ぎ、諸方の王国は揺らいだ。
神が御声を発せられると、地は溶けた。
万軍の主はわれらとともにおられる。
ヤコブの神はわれらのとりでである。

来て、主のみわざを見よ。
主は地に荒廃をもたらされた。
主は地の果てまでも戦いをやめさせ、
弓をへし折り、槍を断ち切り、戦車を火で焼かれた。

「やめよ。
わたしこそ神であることを知れ。
わたしは国々の間であがめられ、
地の上であがめられる。」
万軍の主はわれらとともにおられる。
ヤコブの神はわれらのとりでである。

解説
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by hannah5 | 2006-01-25 16:49 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(4)

雪が降ったね   


雪が降ると
人の心も美しくなるらしい

朝日の雪景色に映えたのは
きみの澄んだ心と
柔らかな思い

泣きたくなってしまうよ

もったいないから
そうっと見ている
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by hannah5 | 2006-01-24 12:24 | 作品(2004-2008) | Comments(8)

日曜の午後   


弟が来てくれた
二人で両親のこれからを話し合った

静かな喫茶店でコーヒーをすすりながら
哀しいような将来を想った

父も母も去年に比べたらまた年を取った
「今はまだ大丈夫だけど
この前救急車を呼んだ時みたいに慌てたくない」
いざという時のために
心とケアの準備をしようと話した

母の病気のことはまだ誰にも知らせていなかったから
最低限連絡しなければならない人たちを選び
二人で手分けして連絡することにした
父の介護申請もしようと話した
でも、どうやって頑固な親父を説得するかなあ
「あなたから言ってね」
「お姉ちゃんの方が言いやすいんじゃない?」

「日本にはナーシング・ホームってないね」
「ナーシング・ホームってなに?」
「介護付き病院みたいなもの」
「あるけど、誰でも入れるわけじゃないんだよ」

それから、お金の管理をどうするとか
弟が両親を引き取って暮らすとか
(それは無理よ)
(うん、無理だね)
思いつく限りのことを話し合った

お店には2、3人の客がいた
弟の後ろを美しいママがコーヒーを運んでいた
この人はどんなふうに恋愛したんだろう
そんなことをぼんやりと考えていた

「俺、寄って帰るよ」
「ごはん食べてく?」
「いや、家で待ってるから」
「そう」
「苦労かけてごめん」
「いや、いいよ」

先はわからないけれど
二人でやればなんとかなるよ
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by hannah5 | 2006-01-22 23:53 | 作品(2004-2008) | Comments(26)

雪の日   


雪が降ると
世の中 本当に静かになる
車の音も
人の話し声も
犬の鳴き声も聴こえない

私は一日中 誰とも向き合わず
ばらばらになっていた思いの欠片たちを
拾い集めてつないでみた

その中には歓びと悲しみが
無数に散らばっていた
知らない間に
無力感が蒼い顔をして坐っていた
絶望が泣いていた
私はそれらを払いのけると
あたたかな優しさを探した

きのう食べたみかんは甘かった
口に放り込むたびに
まるい袋が笑っていたよ
声を合わせて歌った歌には
みんなの気持が束ねられていたね
小さなカードには
ありがとう

祈ってるね
がたくさん書いてあった

私の中で
あたたかな笑顔がこぼれている

たまには雪もいいねと思う
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by hannah5 | 2006-01-21 23:49 | 作品(2004-2008) | Comments(12)

花ひとひら   


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                     てのひらに つつめば哀し
                        むらさきの 花のひとひら
                          うちふるえ


ハレ
写真: こーさん
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by hannah5 | 2006-01-20 00:46 | 作品(2004-2008) | Comments(16)