<   2006年 02月 ( 25 )   > この月の画像一覧   

新生   


主が歩く
人々の間を
人々とともに
疲れた人をいたわり
苦しんでいる人に手をさしのべ
悲しみにくれる人の肩に腕を回し
希望を失った人のそばに坐る
一度も光を見たことのなかった人の目が開く
生まれつき歩けなかった人が
主の手に触れて立ち上がる
貧しさにあえいでいた人に豊かな実りが戻る
闘いにすさんだ人の家に平安が訪れ
穏やかな笑顔が住むようになる

主が歩く所には
安らぎがあり
信頼があり
優しさがあり
豊かさがある

主とともにどこまで歩いても
主はうとまず
追い返しもせず
静かに智恵と真理を語ってくれる
希望と愛を教えてくれる

私はいつも生まれ変わる
主の圧倒的な臨在の中で
主の力強い御手の中で
まるできのうを知らなかったかのように
いつまでも
どこまでも
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by hannah5 | 2006-02-28 00:46 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

一人遊び   


魂の底に落ちているものを
集めるのが好き
笑ったり
思ったり
熱くなったりしたその先で
落ちているのは
思ってもみなかったもの
それらを拾い集めて
ネックレスのようにつないでみる
それは不揃いでひとりよがりの優しさ
いくぶん自由で不埒な思いやり

一人遊びはこんなふう
いつものように
はじめてのように
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by hannah5 | 2006-02-27 01:05 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

その時間   


だれも知らない秘密の場所で
言葉が戯れているのを
いそいそ見に行く
早く行かないと終わってしまうから

その時間は
あの人もきっと知らない
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by hannah5 | 2006-02-26 01:40 | 作品(2004-2008) | Comments(6)

秘密の時間   


いろいろ考えたけれど
結論はこう

言葉が浮かんでいて
下の方からも浮かんできて
いくつもいくつもそこにあって
そこに飛び込めば
しあわせな時間が始まる
それはだれも知らない秘密の時間

のんびり浮かんでいた言葉たちが
いつのまにか戯れだす
歌いながら
笑いながら
嬉しそうに私までも引き込みながら

それから 私は背筋をちょっと伸ばして
言葉をひとつづつ拾ってみる
大きいのや小さいのを拾って
切り張り細工のように
右や下に上や左に置いていく

上から覗きこんで
じっと眺めて
心に尋ねる
好きですか?
心がじぃんときて
ほっと笑ったら それでいい

そんなふうにできていく
だれも知らない秘密の時間
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by hannah5 | 2006-02-26 01:14 | 作品(2004-2008) | Comments(2)

たしかなもの   


たしかなもの
主の臨在
主の御声
暗闇の中を照らす主の光
命の代価を払ってくれた新しいいのち

たしかなもの
魂への想い
愛すること
心を注ぎ出す祈り
祈りの中で浴びる炎

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by hannah5 | 2006-02-25 16:11 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

未来の鼓動   


言葉よりも
思いよりも
願いよりも
希望よりも
もっと確かなものが
遥かな彼方から聞こえてくる

それはまだ見たことも
聞いたこともないもの
ましてや言葉にさえも
表わすことのできないもの

しいて言えば
祈りの中で聞こえてくるかすかな心音
遠い未来から
どっく どっく どっく どっく
と 聞こえてくる

どっく どっく を 聞くたびに
私の心臓が
どっく どっく と 呼応する
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by hannah5 | 2006-02-23 22:20 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

さざ波   


心の奥で
何かがさざ波のように揺れている
気にしなければ
忘れてしまうくらいの小さなさざ波が
魂の端っこをかすかにつつく
振り返れば
いつもの生活があり
変わらぬ時間が過ぎていく
それは
予感でもひらめきでもなく
希望でも期待でもない
なんとはなしにそこにある

今夜は風が出ている
冷たい夜空に
沁みるような風だ
目を閉じてじっと思ってみる
あの事やこの事が
浮かんでは沈んでいく
泣き笑いのような思いが心をかすめた
痛みではなかったはずの痛みが
振り向いて消えた

何かがまた
さざ波のように揺れた


※「さざ波」は予感のようなもの。
  けれど、予感とはっきり呼びたくないもの。


※1週間ほど詩織を休みます。
  しばらく言葉を捜しに行ってきます。
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by hannah5 | 2006-02-18 23:27 | 作品(2004-2008) | Comments(18)

今は石ころ   


そこにある石ころを
拾う

石ころに出遭うのは
すごいこと

外からは見えない
金の塊

石ころが転がれば
跡ができる

そのうち風が立ち騒ぎ
石ころが石ころでなくなる日が
くる
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by hannah5 | 2006-02-17 22:44 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

明日をつかまえて   


未来が次々とやってくる
過去がどんどん遠ざかる

私が追いつけないくらいのスピードで
今日はすぐに昨日になる

未来が顔を輝かせ
メッセージを語ってくれる

初めて聞くことばかりなのに
遠い昔 どこかで聞いたことがある

この胸の確かな深みで
どんどこどんどこ 鳴り響く

未来に忘れられないように
未来に置いていかれないように

明日(あした)をこの手でつかまえにいく
今日という日がまだあるうちに
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by hannah5 | 2006-02-17 01:05 | 作品(2004-2008) | Comments(4)

私の好きな詩・言葉(66) 「冬の日」(三好 達治)   


       ―― 慶州仏国寺畔にて

ああ智慧(ちゑ)は かかる静かな冬の日に
それはふと思ひがけない時に来る
人影の絶えた境に
山林に
たとへばかかる精舎の庭に
前触れもなくそれが汝の前に来て
かかる時 ささやく言葉に信をおけ
「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」

秋は来り 秋は更け その秋は已(すで)にかなたに歩み去る
昨日はいち日激しい風が吹きすさんでいた
それは今日この新らしい冬のはじまる一日だつた
さうして日が昏(く)れ 夜半(やはん)に及んでからも 私の心は落ちつかなかつた
短い夢がいく度か断れ いく度かまたはじまつた
孤独な旅の空にゐて かかる客舎の夜半にも
私はつまらぬことを考へ つまらぬことに懊(なや)んでゐた

さうして今朝は何といふ静かな朝だらう
樹木はすつかり裸になつて
鵲(かささぎ)の巣も二つ三つそこの梢(こずえ)にあらはれた
ものの影はあきらかに 頭上の空は晴れきつて
それらの間に遠い山脈の波うつて見える
紫霞門(しかもん)の風雨に曝(さ)れた円柱(まるばしら)には
それこそはまさしく冬のもの この朝の黄ばんだ陽ざし
裾の方はけぢめもなく靉靆(あいたい)として霞(かすみ)に消えた それら遥かな
巓(いただき)の青い山々は
その清明な さうしてつひにはその模糊(もこ)とした奥ゆきで
空間(エスパース)てふ 一曲の悠久の樂を奏しながら
いま地上の現(うつつ)を 虚空の夢幻に橋わたしてゐる

その軒端(のきば)の雀の群れの喧(さわ)いでゐる泛影楼(へんえいろう)の甍(いらか)のうへ
さらに彼方疎林の梢に見え隠れして
そのまた先のささやかな聚落(しうらく)の藁家(わらや)の空にまで
それら高からぬまた低からぬ山々は
どこまでも遠くはてしなく
静寂をもつて相応(あひこた)へ 寂幕をもつて相呼びながら連つてゐる
そのこの朝の 何といふ蕭条(せうでう)とした
これは平和な 静謐(せいひつ)な眺望だらう

さうして私はいまこの精舎の中心 大雄殿(だいゆうでん)の縁側に
七彩の垂木の下に蹲(うづくま)り
くだらない昨夜の悪夢の蟻地獄からみじめに疲れて帰つてきた
私の心を掌にとるやうに眺めてゐる
誰にも告げるかぎりでない私の心を眺めてゐる
眺めてゐる――
今は空しいそこここの礎石のまはりに咲き出でた黄菊の花を
かの石塔(せきとう)の灯袋(ひぶくろ)にもありなしのほのかな陽炎(かげらふ)のもえてゐるのを

ああ智慧は かかる静かな冬の日に
それはふと思ひがけない時に来る
人影の絶えた境に
山林に
たとへばかかる精舎の庭に
前触れもなくそれが汝の前にきて
かかる時 ささやく言葉に信をおけ
「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」

解説
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by hannah5 | 2006-02-15 23:42 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(2)