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わたしを拾う   


永遠に
コーヒーを飲んでいる気がする

金曜の夜

ひたすらわたしを振り切って
走って行く時間の後から
息を切らしながら
なんとか追いついた夜は
コーヒーはいくら飲んでも
水のように体の中に落ちていく

人々のお喋りが
さざ波のように漂っている空間で
背中を向けて坐っている人々の片隅に
こっそり坐る

スーツ姿のビジネスマンが
携帯を見つめながら
フライドポテトを一本づつ
口に運んでいる
そのすぐ前を
携帯を耳に当てた男の子が
無表情で通り過ぎる
ぶつぶつ独り言を言いながら
ヘルメットを抱えた革ジャンの男が
トレーを持って坐った
カウンターの端には
さっきからずっと
パソコンで漫画を見ている男の子が坐っている

ガラスの向こうは喫煙席
煙の中にぽつん、ぽつんと
顔が見える

明日
また寸法の合わない空気の中へ
出て行く

それまで少しだけ
無関係な他人の中に
誰も知らない自分を置いておく

やっと。。。
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by hannah5 | 2007-03-31 02:11 | 投稿・同人誌など

1週間ほど留守にします   


今週は教会の行事などいろいろあり忙しくなりますので、詩織を休みます。
3月は忙しい月で、思うように詩が書けない日が多かったです。
途中、どこかで詩を書くかもしれません。
その時は詩織を更新しますね。

春は移動の月。
皆さまの中にも新しい職場や学校へ移られる方もあるかと思います。
あるいは今まで親しかった人たちとお別れして、ちょっぴり悲しい季節かもしれませんね。
いろいろな思いが交錯する春ですが、心穏やかに新しい季節の到来を迎えられますよう、お祈りしています。

それでは。

はんな


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by hannah5 | 2007-03-26 23:42 | ご挨拶 | Comments(14)

涙のひと粒   


ときどき
わけもなく
ひたすら
泣いていたくなる

涙がひと粒落ちるたびに
閉まっていた扉が
少しずつ開く

もらった心は
いくつ集まったのだろう

心をあげて
心をもらって
あたため合った日々が
手のひらに
ぽとんと落ちる
それを耳に当てて
じっと聴く

わたしが笑った日
あなたが笑った日

心と心を擦り合わせたら
シュッと火が燃えて
ろうそくのように
いつまでも消えなかった日

雨も降ったし
風も吹いたし
大嵐が来たこともあった

小さなドロップのように
口の中で
甘くて酸っぱくて
溶けてしまった日もあった

涙は
いつまでも落ちるから
わたしはいつまでも
いつまでも
もらった心を離さない

楽しかったのに
やさしかったのに
いとしかったのに

あなたにあげた
わたしの心は
あなたの中で
何色になりましたか

あなたからもらった
あなたの心は
想うたびに
紅くなったり
蒼くなったり
レモン色になったり

もらった心たちを
見つめていると
ときどき
わけもなく
ただ悲しくなる
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by hannah5 | 2007-03-25 23:53 | 投稿・同人誌など

風に隠れて   


風が吹くように
  風が吹くように

生まれたての春が
目覚め始めた季節の中で
やっぱり冬が恋しいと
いやいやをする

風のように
  風のように

気ままなように
忘れっぽく
どこから来て
どこへ行くのか
だれも問わない
風にさえ当てにならない

散り散りに千切ってしまったものを
かき集め
一つづつ拾ってみようか
それとも
さらさらと風の中に散らそうか

風は
長々と寝そべり
冷え冷えと広がり
まっすぐなロープのように
足を早めて

風に向き合わず
  風に向き合わず

人肌に温めた思いを
街の片隅に置いていく
風に見つからないように
風に放り出されないように

小さな希望が一つだけ
コトリと笑った


風に隠れて
※3月13日の「風に隠れて」は最初、上のような形でした。
  何度か推敲するうちに、13日の詩に変わったのですが、今読んでみると、
  最初に書いた詩も悪くないと思います。
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by hannah5 | 2007-03-24 23:56 | 作品(2004-2008)

いつもありがとうございます   


今日は、今月出版予定の翻訳の本の編集の作業のためにある出版者に来ています。
現在、編集は最終段階に入っており、今日はその作業に追われています。
そのようなわけで、今日は(たぶん明日も)詩作は休みます。

いつも詩織を見ていてくださってありがとうございます。

本が出たら、またお知らせ出しますね。


はんな


3/23 深夜帰宅

2日間、出版社の片隅に缶詰となり、朝から編集作業に没頭してきました。
昔、弁護士事務所の秘書をしていた頃、こんなふうに朝から深夜まで仕事に追われていたなぁと思い出していました。
あの頃は何よりも仕事をするのが面白かったものでしたが。

1年前に契約書を交わして始めた翻訳は、本日をもってすべて終わりました。
あとは細かい作業が少し残っていますが、大きな山は越えました。
帰りに飲んだコーヒーがおいしかったです。

本のタイトルは『レボリューション』、著者はジョージ・バーナ(George Barna)、地引網出版社から出ます。
原作はこちら→Revolution
3月末か4月初めに出版予定です。
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by hannah5 | 2007-03-22 18:53 | ご挨拶 | Comments(8)

私の好きな詩・言葉(101) 「花売り」 (三角 みづ紀)   


不思議な夢が
わたしを食べる
朝、
目覚める確立は極めて低く
幸運なときは
わたしは朝食を
いただいてから
花を売りに
町へ行く
けいとうの花はいりませんか
ききょうの花はいりませんか
椿だって
きれいに咲いているのよ

親切な老夫婦が
わたしに憐れみの眼を
向ける
それこそ生きている証だった
そうでもなきゃ
わたしは犬小屋にでも住むわ

けいとうを買っていくひとは
残酷
ききょうを買っていくひとは
無神経
椿は
死刑台で
首を落とされた

わたしは誇らしいのよ
花売りとして
それはもう誇らしく
ただ、
君にだけはこの姿
みられたくなかった
だって
君は花売りの誇らしさを
知らないから

椿がね、
こう云ったの
なんで私だけ首を落とされなければ
ならないのかと
云ったのよ
無色の椿がわたしを食べる
一気に飲みこむのではなく
じわりじわり
啄ばむのだ
痛みはない
わたしはくずれながら
誇らしく思った

三日後に眼が覚めて
朝、
朝食をいただき
しおれた花たちを撫でた
わたし
どこまでゆくのだろう
そう思うと
すぐそこに「死」が
佇んでいた

君にだけは
知られたくなくて
そう思うことから
すべては終わりはじめた
とっくに
終わりがはじまって
いたのだ

花はいりませんか
わたしが産み落とした
花たちはいりませんか

振り返るひとは居なかった
それこそ
たったひとつの幸運だった
君にだけはみられたくなかった
枯れた花に手をやると
砂のようにこぼれた

わたしは花売り
誇らしく町角に立つ
素通りするひとびと
なんて誇らしい
そうでもなきゃ
犬小屋に住んだっていいのよ


(三角みづ紀 「花売り」 現代詩手帖3月号に掲載)


三角みづ紀さんの「花売り」を読んでいたら、できたのが↓「花売る人に」

他1篇
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by hannah5 | 2007-03-20 20:33 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(6)

花売る人に   


ねえ
あなたがそんなふうに
痛々しく
針の先のように
幸せと哀しみの間を揺れているから
わたしは
行かないで
って、あなたの手を握っている

行かないで

たとえ、それがあなたのすべてであったとしても
もう少し ここに居て
優しい花たちが
ゆっくりとあなたを包んでくれるのを
わたしはずっと想っている

ねえ
わたしは
あなたが売っている花たちを知らない
あなたが綺麗な顔をして
どんな花を
だれにあげたのかも知らない

けれど
そんなふうに花を差し出されて
あなたから花を買った人たちは
たぶん
幾ばくかの幸せを
哀しみの向こうに
受け取ったのではないかしら

今朝
あなたは
どんなふうに目覚めたのだろうか
小さな欠伸があなたを捉えて
哀しみより少しだけ
陽射しの中に佇んでいることが
できたのだろうか

わたしは
もしかしたら
あなたに親切ではないかもしれないね
なぜなら
あなたから花を買ったら
たぶん、泣いてしまうだろうから
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by hannah5 | 2007-03-19 22:55 | 作品(2004-2008) | Comments(0)

コブシ咲く   


コブシが見ごろになりました
という貼り紙を見て
他の予定を変更して
コブシを見に行った

午後三時

くもり空の下の庭園を
コブシを捜してうろうろした
まだ空気が固くて
石段さえも無愛想だ

色彩のほとんど失せた庭園の片隅に
ほんわり白が積もっているような
コブシの満開を見つけた

他の木はまだ花も咲かず
ひっそりとしている
その中で
コブシが一本
まるで孤独を押し返すように咲いていた

**

コブシよ
お前は一人ぼっちだと言って
寂しがってはいけない
自分には
他の花を咲かせることができないと言って
嘆いてはいけない

だとえ花の美しさを愛で
早春の訪れを喜び合う仲間はいなくとも
空に向かって
精一杯
花を咲かせていてほしい

その美しさに惹かれ
お前を見に来る人がいるだろう

そして、お前を見たら
寒々とした庭園の片隅で
一心に咲くコブシの花に
慰められほっとするだろう

わたしが
慰められたように

コブシよ
一人ぼっちでも
そのまま堂々と
咲いていてほしい
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by hannah5 | 2007-03-18 23:47 | 作品(2004-2008)

私の好きな詩・言葉(100) 「聖書の言葉」   


詩篇19 (旧約)

天は神の栄光を語り告げ、
大空は御手のわざを告げ知らせる。
昼は昼へ、話を伝え、
夜は夜へ、知識を示す。
話もなく、ことばもなく、
その声も聞かれない。

しかし、その呼び声は全地に響き渡り、
そのことばは、地の果てまで届いた。
神はそこに、太陽のために、幕屋を設けられた。
太陽は、部屋から出て来る花婿のようだ。
勇士のように、その走路を喜び走る。
その上るのは、天の果てから、
行き巡るのは、天の果て果てまで。
その熱を、免れるものは何もない。

主のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、
主のあかしは確かで、わきまえのない者を賢くする。
主の戒めは正しくて、人の心を喜ばせ、
主の仰せはきよくて、人の目を明るくする。

主への恐れはきよく、
とこしえまでも変わらない。
主のさばきはまことであり、ことごとく正しい。
それらは、金よりも、多くの純金よりも好ましい。
密よりも、密橋の巣のしたたりよりも甘い。
また、それによって、あなたのしもべは
戒めを受ける。
それを守れば、報いは大きい。

だれが自分の数々のあやまちを
悟ることができましょう。

どうか、隠れている私の罪をお赦しください。
あなたのしもべを、傲慢の罪から守ってください。
それらが私を支配しませんように。
そうすれば、私は全き者となり、
大きな罪を、免れて、きよくなるでしょう。
私の口のことばと、私の心の思いとが
御前に、受け入れられますように。
わが岩、わが贖い主、主よ。

The heavens declare the glory of God;
the skies proclaim the work of his hands.

Day after day they pour forth speech;
night after night they display knowledge.

There is no speech or language
where their voice is not heard.

Their voice goes out into all the earth,
their words to the ends of the world.

In the heavens he has pitched a tent for the sun,

which is like a bridegroom coming forth from his pavilion,
like a champion rejoicing to run his course.

It rises at one end of the heavens
and makes its circuit to the other;
nothing is hidden from its heat.

The law of the LORD is perfect,
reviving the soul.
The statutes of the LORD are trustworthy,
making wise the simple.

The precepts of the LORD are right,
giving joy to the heart.
The commands of the LORD are radiant,
giving light to the eyes.

The fear of the LORD is pure,
enduring forever.
The ordinances of the LORD are sure
and altogether righteous.

They are more precious than gold,
than much pure gold;
they are sweeter than honey,
than honey from the comb.

By them is your servant warned;
in keeping them there is great reward.

Who can discern his errors?
Forgive my hidden faults.

Keep your servant also from willful sins;
may they not rule over me.
Then will I be blameless,
innocent of great transgression.

May the words of my mouth and the meditation of my heart
be pleasing in your sight,
O LORD, my Rock and my Redeemer.


イザヤ40:28-31 (旧約)

あなたは知らないのか。聞いていないのか。
主は永遠の神、地の果てまでも創造された方。
疲れることなく、たゆむことなく、
その英知は測り知れない。
疲れた者には力を与え、
精力のない者には活気をつける。
若者も疲れ、たゆみ、
若い男もつまずき倒れる。
しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、
鷲のように翼をかって上ることができる。
走ってもたゆまず、歩いても疲れない。

Do you not know?
Have you not heard?
The LORD is the everlasting God,
the Creator of the ends of the earth.
He will not grow tired or weary,
and his understanding no one can fathom.

He gives strength to the weary
and increases the power of the weak.

Even youths grow tired and weary,
and young men stumble and fall;

but those who hope in the LORD
will renew their strength.
They will soar on wings like eagles;
they will run and not grow weary,
they will walk and not be faint.


ヨハネ1:1-5、14 (新約)

初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。 この方は、初めに神とともにおられた。 すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。・・・(中略)・・・ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。

In the beginning was the Word, and the Word waas with God, and the Word was God. He was with God in the beginning. Through him all things were made; without him nothing was made that has been made. In him was life, and that life was the light of men. The light shines in the darkness, but the darkness has not understood it. …….. The Word became flesh and made his dwelling among us. We have seen his glory, the glory of the One and Only, who came from the Father, full of grace and truth.


Iコリント2:9 (新約)

目が見たことのないもの、
耳が聞いたことのないもの、
そして、人の心に思い浮かんだことのないもの。
神を愛する者のために、
神の備えてくださったものは、みなそうである。

No eye has seen,
no ear has heard,
no mind has conceived
what God has prepared for those who love him.

(新改訳聖書より)

ひと言
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by hannah5 | 2007-03-17 23:41 | 私の好きな詩・言葉 | Comments(8)

ゆっくり溶けて   


つくづく思う
ゆっくりやればいいんだと

眉間に皺を寄せて
必死になってやってみても
得られるのは
油の切れたチェーンのような
重たいローラーのような
そんなことばかり
自分もまわりの人々も重くなるし
笑顔もひきつってくるし

必死になってもならなくても
結果はあまり変わらない
それなら
のほほんとやればいい
ぼんやりと緩んでいればいい

そうすれば
わたしの中で
陽射しが柔らかくなってきて
空気が暖かくなってくるし
まわりの景色も自然に
わたしに溶け込んでくる

やがて
ごくさりげなく
地中の中から湧いてくる

生きていてよかった

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by hannah5 | 2007-03-16 23:15 | 作品(2004-2008)