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アドベント第一主日   


アドベント(待降節)第一主日は ケルト系女性シンガーによる "Away in a Manger" を。




ひとりのみどり子が、私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が、私たちに与えられる。
主権はその肩にあり、
その名は、「不思議な助言者、力ある神、
永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
その主権は増し加わり、その平和は限りなく、
ダビデの王座に着いて、その王国を治め、
さばきと正義によってこれを堅く立て、
これをささえる。今より、とこしえまで。
万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。
                   (イザヤ書9:6, 7)




アドベント
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by hannah5 | 2008-11-30 23:52 | イエス・キリスト | Comments(0)

近況その後   


こんばんは。
一段と寒くなりましたね。いかがおすごしですか。

父のその後ですが、11月19日(水)、近くの老健(介護老人保健施設)に入居が認められ、現在そちらで暮らしています。最初の晩はトイレに7回起き、他の入居者の部屋に入ってそこの人の服を着たり、ベッドに仁王立ちになってしまったり(父はふだんベッドで寝たことがないため、ベッドでの寝方がわからないのです)、だいぶ混乱があったようですが、1週間たった現在ではだいぶ落ち着きを取り戻しています。一晩に10回から多い時は15回もあった頻尿も減り、夜は比較的よく眠るようになったとケアマネージャーから報告をいただきました。ただ、やはりトイレ関係はうまくいかないので、夜はベッドを介護士や看護士のいるサービスステーションの近くに置いてもらって寝ているようです。どこへ行ってもすぐ家に帰りたがる父でしたが、まだ家に帰りたいと言ったことはないようで、よかったと思っています。

母の方は11月初旬に退院し、現在はかなり安定した体調で暮らしています。

一番つらかった時期は過ぎました。これからは少しずつ私自身の体力回復と仕事復帰に向けて環境を整えていきたいと思います。詩関係も少しずつ再開です。ご心配くださった方々、コメントを残してくださった方々、お祈りくださった教会の皆様、ありがとうございました。(今日は久しぶりにW大学でのバイブルスタデイを覗いてきました。)


はんな
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by hannah5 | 2008-11-27 00:14 | ご挨拶 | Comments(6)

旋 律   


気の遠くなるような空気の中で
ピンと張りつめたソルべをかじる
奥歯が刺激されて冷えた空気が下りてくる
浅くなっていた息に
整理された安堵感が送りこまれる
蟻塚にずるずると足が吸い込まれていくように
体じゅうから力が抜けていく
どこからともなく切ない懐かしさが湧きだしてきて
どんよりとした空気を攪拌する
どこかにわたしがいたような気がするが
いつのまにか空気は灰色になり
やがて鉛色に変わり
わたしの姿は見えなくなった
目の前に覚めたコーヒーがあったことを思い出す
しきりと手を伸ばすが
コーヒーまでの距離は遠くて手が届かない

ここまで来るのに
永遠にも等しい時間が費やされた
見分けがつかないほど小さく切断された時間を
一欠けらでもなくしてしまわないように拾い集め
わたしの中へ放りこんでいく
努めて平静を装い
時折余裕さえ見せながら
そうしておくことが義務であり
責任であるかのように

わたしの中の混沌とした時間が
ある日、平静さを失って波立ち泡を吹き
止めようがないほど揺れに揺れた
体じゅうの細胞が水分を失ってきしみ始めた日
あなたの哀しみを思って泣いた




※ 父が老健に入った日。
  父は認知症が進み、一晩に十回から十五回もトイレに行くようになった。
  その父につき合った時間。
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by hannah5 | 2008-11-21 23:01 | 作品(2004-2008)

生きていることと死んでいることの境目で   


(地下ではないけれど)
地面のいちばん深いところを
抉りながら這っていく

生きていることと死んでいることの境目で
きょう在ることを見る

― 生きることはこんなことか
― 死ぬこともこんなことか

こらちとあらちは蝶つがいでつながっていて
ぎいっとあければ
一瞬のうちに
こちらからあちらへ移ることができる

そういえば
あちらへ移る前に
それまで集めてきたあらゆるものを
捨てなければならない
思い入れと思い込みのたくさん詰まったかばんをあけて
冷たくなり始めた空気の中に
ひとつずつ捨てていく

集めてきたものはたくさんありすぎて
捨てては拾い
拾っては捨て
また拾う

― じょうずに捨てられない・・・・・

積みあげられた時間の中から
人が一人ずつ去っていく
ぽつんと残った影がひとつ
その上に腰をおろして
いつまでも決められないでいる

「そろそろ明日になるから決めてください!」
ぴしりと叱る声がしてカツが入れられたのに
相変わらず眉根を寄せて
捨てたり拾ったりしている

― どうしてだかわからないのです
― わたしにはどうすることもできないのです
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by hannah5 | 2008-11-13 23:40 | 作品(2004-2008)

近況   


すでにお気づきかと思いますが、最近、詩織の更新がとても遅くなっています。理由は詩を書くスピードを遅くしたこともありますが、それより父の認知症がここへきて加速し始めていて、とても目を離していられなくなったことにあります。父の症状はいわゆる徘徊型で、少しもじっとしていることができず、始終動き回ります。医者の診断は「アルツハイマー型認知症」で、現れる症状は無意味な行動を繰り返すせんもう状態、時間と場所がわからなくなる見当識障害です。当初は昼夜逆転(昼と夜が反対になり、夜起きて、昼間は寝ている)も見られましたが、現在この症状は改善されています。

加えて先月から今月にかけて両親の入退院が相次ぎました。父が誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)で2週間入院、その後、母が入院(こちらは病名はわかりません。気分が悪くなって吐き、大事をとって入院させました)、入院中に父の認知症が顕著になり、退院直後は手のつけられない状態でした。まるでバネ仕掛けの人形のように、寝ていたと思ったらもこもこと起き上がり、延々と毛布をいじり続けたり、ベッドのまわりをぐるぐる歩き回ったり、1日中落ち着きがありませんでした。現在、かなり落ち着きを取り戻しましたが、見当識障害が進み、洗面所やトイレの場所がわからないことがあります。

父は体だけは丈夫で、医者などにかかったことはありませんでしたが、誤嚥性肺炎になったのがきっかけに、内科と精神科から出される4種類の薬(アリセプト、リスペリドン、チアリール、抗生物質)を飲むようになりました。母の状態は以前よりずっと落ち着いており、気分も良いようで、終始笑顔が見られるようになりました。両親ともに食欲は十分にあります。

詩を書くことがむずかしくなりましたが、同人誌や詩誌への投稿は相変わらず続けています。そちらの方で皆様にお目にかかることができましたら嬉しく思います。

一段と寒くなりました。風邪など召されませんよう、十分あたたかくしてお過ごしくださいませ。



はんな
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by hannah5 | 2008-11-12 01:09 | ご挨拶 | Comments(10)

入 眠   


傾きかけている記憶の隅に
わずかな光を見つけて
坐る
さざめくように流れている風が
小さな光の群れを
ちろちろと揺らしていると
あたりがしだいに薄らいでくる
耳鳴りのように聴こえていたざわめきが
ひとつずつ音を消しはじめる
小さな痛みが呼ばれ
浮きあがり
散っていく
遠すぎて届かないものたちが
永遠に姿を消そうとしている

たましいが落ちていく
無音のいちばんふかいところに
綿のようにふかぶかと
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by hannah5 | 2008-11-08 01:18 | 作品(2004-2008)

詩と思想   


詩と思想11月号(土曜日術社)で拙作「未完」が佳作に選ばれました。選者は坂井信夫さんです。ありがとうございました。(詩人を「先生」と呼ぶことに対する反対論が述べられていましたので、ここでは「さん」付けで呼ばせていただきます。)選評に書かれた坂井信夫さんの言葉がいいです。その一部をここに抜粋します。

「この欄の投稿者のほとんどは、いまだ同人誌や会員誌に関わっていないと思うが、もし近い将来においてそうした機会があるとしても、心がまえとしてはつねに<単独者>でいてほしい。かつて誰かが「とかくメダカは群れたがる」といったそうだが、詩人というのは、いくら群れても、ほんとうの力にはならない。それは<勢力>にはなれても根底からの力には、ついになれない。詩はつねに個の内部から沸きだすものであって、外からテーマを与えられて書くものではない。これは基本であると思う。・・・・(中略)・・・・このようなことをこの欄で書くのは、たぶん場ちがいだろう。でも投稿者の方がたは、いつか詩を書く者たちと交わるようになるかもしれないし、同人誌や会員誌に参加するかもしれない。そうなったとき、組織や集合体はしょせん共同幻想であり、さいごに残るのは詩人としての個であることを、いまのうちに自覚しておいてもらいたいからである。」

現在、私自身は同人誌に参加したり、雑誌に投稿したり、いろいろな詩人の方たちとの出会いもふえてきました。そのどれもが刺激的で、そこから学ぶことは多くあります。でも、詩を書くこと自体は一人で言葉を掬っていく孤独な作業です。一人になって静かに言葉と対峙していると、言葉が不思議な力で私を魅了していきます。そこには本能的な喜びがあります。評価はあくまでも目安であり、それ自体は詩を書く動機ではありません。言葉を掬いながらいつも思うことは、評価に左右されず永遠に言葉に魅了されていたい、「詩人」という形にとらわれず、永遠にしろうとでいたい、自分の心のとおりに書いていきたい、ということです。

坂井信夫さんの言葉に勇気づけられました。これからも誰かの目を気にせず、書いていきたいと思います。

未完
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by hannah5 | 2008-11-05 19:55 | 投稿・同人誌など | Comments(2)

空の破片   


おおぞらの
広いところを見上げていたら
空が粉々に砕けて
散ってしまいそうになった

あわてて息をひそめた

肩で息をしながら歩いているうちに
空がこわれやすくなっていたことに
気がつかなかったのだ

パリリン!
と空が砕けて
破片がきらきらと光って
無数にわたしの上に降ってきた

すると
くしゃくしゃっと
紙くずを丸めるような音がした
それは
「胸の内」という所からだった

胸の内には
涙の材料がいろいろ詰まっていて
くしゃくしゃにされればされるほど
胸の内から
絞りとられるような嗚咽が漏れた

おおぞらが
両手を広げて泣いている
昔からずっとそうしてきたように
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by hannah5 | 2008-11-04 23:24 | 作品(2004-2008)