<   2009年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧   

詩と思想   


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9月号の詩と思想は、私にとっての盛り沢山で嬉しい号になりました。
詩作品に「想う」が掲載されました。
投稿作品で「いちまいずつ」が入選しました(海埜今日子選)。
それから、新井豊美先生が海埜今日子さんと岡島弘子さんとの座談会に出ていらっしゃいます(司会は一色真理さん)。
上記の作品はいずれ詩織にも出しますが、まずは本誌の方でごらんいただければ嬉しく思います。


はんな
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by hannah5 | 2009-08-27 17:19 | 投稿・同人誌など | Comments(2)

洛北の夏   


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                        寂光院へ続く道

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                         宝泉院の庭で
                          (京都大原)
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by hannah5 | 2009-08-25 16:19 | Comments(0)

永遠の今日   


ぜいたくに思い続けて
ぜいたくに沈殿させる
わたし一人分の重みを
ぜりー状にして固める
裸状のわたしがぜりーの中で
ひざを抱えてぼんやり見つめている

見つめているのは
ぜりーの向こうの
時間の存在が定かでない今日
わたしが生れた過去のような
わたしが老いていく未来のような
その中間にいるわたしが
ふつふつと静かに息をしている

永遠に続いていくような
今日のつながり
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by hannah5 | 2009-08-23 16:21 | 作品(2009~)

La Voix des poètes (詩人の聲)第378回 ~長谷川忍さんの朗読会   


8月19日(水)午後7時より、Star Poets Gallery で長谷川忍さんの朗読会がありました。長谷川さんはすでにこれまでご自身の作品の朗読を何回かしてこられ、今回は第一詩集の 『ウィスキー綺譚』 を中心に、第二詩集 『遊牧亭』 からも数篇、ユーモアを交えながらゆったりと朗読されました。お酒をこよなく愛される長谷川さんの作品にはほのぼのとした感じのものが多く、朗読の最中にも客席から思わず笑いがこぼれることが何回かありました。長谷川さんから許可をいただきましたので、朗読された作品の中から2篇ご紹介させていただきます。


沢庵


春だというのに
凍えるような宵だった。
お店の戸を開けたとたん
湯気で
眼鏡が、曇った。

けいこさん差し入れの沢庵で
泡盛のお湯割りを頂いた。
お手製の沢庵は、よい塩梅であり
下心ありそうなしょっぱさでもあって

鳴樹さん
けいこさん
マスターに
おーちゃん

みんな、沢庵みたいだ。
すっかり社会に漬かっちまっていて
ぬかるんでいて
でも変なところが純情で
ほどよく助平で
滑稽で。

谷中、初音小路。
大人の横丁だと
ずっと思ってきたのだ。
今夜の沢庵は
私がいちばん年長なんだってさ。

ようやっと身体が温まってきた頃
お店の古い柱時計が
ほっこり、明日を告げた。


          (長谷川忍詩集 『遊牧亭』 所収)



郷愁


月に向かって
石を放り投げたのは
一体どちらのせいだったろう

とても濃過ぎる記憶が
零れている
あなたは
たぶん きっと誰よりも
あなたでいたい

からだを共有することだけが
労りであるとするのなら
僕は
もう何度この恥ずかしい痒みを
繰り返してきた

でも
それはどこか懐かしさにも
似てはいないか
たとえばこんな満月の夜や
滑稽な互いの意地や
僕は掌の石を
じっと凝視めたまま

今夜
あなたは月に還りたい

けれどあなたは
どうしようもなく
女と いう奴で


           (長谷川忍詩集 『ウィスキー綺譚』 所収)

略歴
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by hannah5 | 2009-08-19 23:29 | 詩のイベント | Comments(0)

触れる   


ごろごろと立ち上がる気配がしなくなって
ごろごろと仰向けのまま沈んでいく

いたいよいたいよいたいよ

苦痛が打ちだされるたびに細胞が膨張を繰り返し
膨張しきった細胞がこれ以上不可能なほど膨張し
表面張力のもっとも伸びきったところで

い、た、い、よ、

切れ切れの声の片隅で薄く伸びきった皮がさらに伸びて
水をたたえる皮のすぐ下と皮のすぐ上の表面張力が透けてくるぎりぎりの皮の
うっすらとした細胞の陽が透けて射すあたりのきわめて薄い細胞の
隙間と隙間の間に潜む隙間のわずかな隙間に
指の腹が知覚できないほどの触覚を
満潮をたたえて満ちているほど静かに緩慢に染み込ませる

指は触覚に触覚を重ね/触覚に触覚を積み/触覚に触覚を染み渡らせ/触覚に触覚を反転させ
細胞と細胞の隙間に侵入を重ね/細胞と細胞の隙間に侵入を積み/細胞と細胞の隙間に侵入を染み渡らせ/細胞と細胞の隙間に侵入を反転し

徐々に伸び
徐々に伸びきり
徐々に伸びた眉毛の下の
徐々に伸びきった眉毛の下の
しずかな
あ、い、た、い、よ、


※ どこへも投稿しなかった作品です。
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by hannah5 | 2009-08-12 13:56 | 作品(2009~)

投稿作品と同人誌の作品   


いつも詩織を見ていただきありがとうございます。

投稿作品と同人誌の作品を別ブログ「詩織の庭」で掲載していましたが、
詩織が最近、記事なしで手薄になりそうなので、
詩織の庭を閉じ、こちらにすべて移しました。
「投稿・同人誌など」のカテでご覧いただけます。

気分転換にスキンも新しくしてみました。


はんな
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by hannah5 | 2009-08-10 14:19 | ご挨拶 | Comments(0)

夜の間に機を織る   


夜が開かれたまま
閉じないでいることを喜んでいるのは
だれか

あけ放した夜を
朝になってから閉めようとしても
オープンエンドになった時間は
ふさがれるのをいやがって
言うことを聞かない

ひっそりと時間を裏返して
だれの目も見ずに
しばらく姿をくらますのも
ひとつの手かもしれない

コンコン、
とドアをノックする音がする

素顔を明るい光の中にさらすのが
ためらわれるほど
伏し目がちに落とした目元が
隠微に消えそうな気配がする

あなたと繋がっているへその緒を
細く長く
切れる寸前まで伸ばして

その上を歩いたら切れますよ、

宣伝文句が功を奏したかして
だれも寄りつかなくなった頃

さらにもう一回夜を裏返して

折りたたんだ夜のどこかに
わたしの影を押し込んで
あなたに見つかる前に

いなくなる


(詩と思想8月号 入選)
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by hannah5 | 2009-08-05 14:02 | 投稿・同人誌など