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日本の詩を読む   


7月30日(金)は「日本の詩を読む」の最終回でした。読んだ詩人と作品は荒川洋治の「キルギス錐情」、稲川方人の「償われた者の伝記のために(抄)」、平出隆の「胡桃の戦意のために(抄)」、そして読みませんでしたが、野村喜和夫さんの「息吹節」もプリントとして配布されました。

講義内容の詳細はここでは省きますが、「日本の詩を読む」の講義全体を通して、実作者野村喜和夫さんの舞台裏がそれぞれの書き手を通して垣間見られたことは興味深かったです。

秋にはまた淑徳大学のサテライトキャンパスで、日本の詩に関してテーマごとの講義が予定されているそうなので、そちらも楽しみです。

野村喜和夫さんのプロフィール
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by hannah5 | 2010-07-31 23:03 | 詩のイベント | Comments(0)

詩と思想   


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詩と思想8月号に「やっと出発できそうな気がする」が入選しました(新延拳選)。
あとの1篇、「朝靄」は佳作でした(斉藤恵子選)。

***

暑い日が続いています。
知人に熱中症で倒れた人がいます。
彼女の場合、幸い大事には至らなかったようですが、
7月に入ってから熱中症で倒れる人がずいぶん出てきたようです。
皆様も水分補給に努め、なるべく外の風を入れるようにして、
くれぐれも熱中症には気をつけてお過ごしください。
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by hannah5 | 2010-07-28 16:06 | 投稿・同人誌など | Comments(0)

ある夜   


薄墨いろの箱が
引き延ばされてある



上る空気
下る道
手幅ほどに押さえられた平面が下りてくる
家と家の繋ぎ目

平坦なプラスチックがつづく
風のない紋様の空気

息をするものが不機嫌に寝そべり
神経質な目をして身を潜める

ぶどう色の眼が見開かれて
じっと見つめる切れ長の
しずかな底

不遜な空気が
音もたてずに湧きあがる
灯りを避けて忍びこんだ暗がりの中で
小さな抵抗を貼りつけて
たやすく絡め取られない季節を生み落とす

               *

歩くことを好まない季節を
ひとつ、思いだす
よく似たいろが空気の中に滲みだしている

               *

平行に落ちていく空気

波だたない水際

音のない空間を
踏む 息遣い


(旋律25号所収)
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by hannah5 | 2010-07-26 23:21 | 投稿・同人誌など

日本の詩を読む   


7月23日(金)は「日本の詩を読む」の4回目でした。読んだ詩人は吉増剛造、作品は「燃える」、「黄金詩篇」、「初湯」、「好摩、好摩」でした。

吉増ファンや吉増剛造に一目置く現代詩人の方たちから顰蹙を買いそうですが、なぜか私は吉増剛造の作品から感じるものがないのです。大抵の詩人さんの作品は、たとえそれが難解な作品だったり、あまり自分と波長が合わなかったりしても、どこかで感じて受け取るものがあるのですが、吉増剛造作品に関してはなぜだか頭の上を通過していく感じがして、頭のてっぺんのどこかに触れることもないのです。これは如何なることか??と思い巡らしてみても、結局私の中で吉増作品から受け取るべき何かがないのだろうと思います。たまにこういう詩人がいます。作品は優れているのに何も感じないという。それで、夕べは割りと客観的かつ中立的な気持ちで講義を聴いていました。

新しい発見がいくつか、特に言葉素と音素の話は、最近の吉増作品を読む上で参考になりました。

次回は最終回で、荒川洋治、稲川方人を読みます。

野村喜和夫さんのプロフィール
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by hannah5 | 2010-07-24 14:48 | 詩のイベント | Comments(0)

へそ天   


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                         台所の床はひんやり~

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                      クーラーのきいた部屋ですやすやzzz


暑いせいか、お腹丸出しで眠ることも多くなりました。
猫に限らず動物にとってお腹は急所で、外敵の多い外では絶対に見せない姿ですが、家の中では外敵にやられる心配がないため、すっかり安心しきってこんなかっこうで寝ます。
ちなみに猫のおへそはV字型の模様の少し上にあるらしいのですが、あまりよくわかりません。

みーにゃに限らずへそ天で寝る家猫ちゃん、けっこう多いらしいですよ。


※体重4.72kg(7/17)。最近、また食欲が戻り、よく食べるようになりました。
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by hannah5 | 2010-07-23 12:54 | 猫かわいがり | Comments(2)

暑中お見舞い申し上げます   


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きのう梅雨明け宣言が出た東京は今日も朝から気温がぐんぐん上がり、猛暑となりました。
暑い夏は体にこたえて苦手です。
せめて涼しい所で極力エネルギーを使わず、おいしい物でも食べて、秋が来るのを待つことにします。
皆様も夏バテされませんよう、健康に気をつけてお過ごしください。


はんな
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by hannah5 | 2010-07-19 14:06 | ご挨拶 | Comments(2)

親密なしかし捕らえることのできないものへ   


歩いて行けない時間の向こうに
永遠に捕縛できない今日がある

ひたひたと足音を忍ばせ
影のように寄り添い歩く
絡まりもつれてくねる躰を這わせ
至近距離のもっとも高揚した瞬間に
つ、と立ち止まり
恍惚に身を沈める
しかしすぐに這い上がり下降線を下り
薄目をあけて冷めた空気を呑み込む
ふと意識は遠のいていく

くぐもった声で哀願すれば
けだるい放物線が長い尾を引いて消えてゆく
上目遣いに曲線をなぞり耳元で舌打ちすると
一本の楔が熱い血の中に打ち込まれる
そうして消えることのできない刻印を夜の中へ押していった

             *

いつのまにか影は夜の闇に溶け
くねりながら這っていた躰は見えなくなっていた

声がかすかに聞こえたような気がした

耳の奥に残っている聞き慣れた声は
あちらを向いてどこかよそよそしい
夢の中へ逃げていかないように
捕まえようと手を伸ばす
その途端にするりと身を交わし
一瞬のうちに闇の中へ消えてしまった

重ね合わせた時間の中に
青や黄やオレンジの光が交互に現れる
その光の一つ一つに思いのすべてが吸い込まれていく
次の瞬間にはしかし
思いの痕跡を見つけることはできない

時間の向こう側で
青や黄やオレンジの光が明滅している
手を伸ばすと光は消えた
手を引っ込めると
また明滅を始めた


(詩と思想7月号掲載)
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by hannah5 | 2010-07-14 13:34 | 投稿・同人誌など

もつれて   


そういえば
今夜は街の猫が
立ち止まってくれたから
― しかも二度も
良しとしよう

気ままな猫と
怪しげにもつれあう瞬間が
スキ
月の下で
神経を張りめぐらした繊細な生物の
幕を下ろしたあとのような
ごく平凡でごくあたりまえの息遣いが
わたしの中に流れこんでくる
微量な思い入れが
わたしを捕え
こんな感覚は
ほんとうに久しぶりだ
ちょうど助走する前の
一気に足を踏みださないように
気持ちを引き締めている瞬間に似ている

しなだれかかる空気
雪柳のような時間
つむぐことのできない始まりと終わり
時計が終わるころ
わたしが始まり
エンドレスのおしゃべりが始まる

出会ってはいけないのに
出会ってしまったことが
最大の不幸であり裏切りなのに
いまを握りしめて
夜の深みにささやきかける

猫のような
 何もかも


(旋律25号所収)
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by hannah5 | 2010-07-13 22:27 | 投稿・同人誌など

第14回TOKYOポエケットin江戸博   


7月11日(日)午後1時半から、江戸東京博物館でTOKYOポエケットがありました。雨だったせいか、あるいは参院選の影響か、少し人の出足が悪かったように思います。総出店数は50でした。

私はみつとみさんのテーブルをお手伝いがてら、「新現代詩」と「旋律」を横に置かせてもらいました。売れることはまったく期待していなかったのに買ってくださった方がいて、ちょっと嬉しかったです。

ゲスト・リーディングは浦歌無子(うらかなこ)さんとジュテーム北村さんでした。

お店番の合い間を縫って会場をうろうろ、ふっと捕まえてくれそうなものを買いました。買ったものは「モーアシビ」(第21号)、「ぷあぞんI」、「Poem ROSETTA(ぽえむ・ろぜった)」(Vol. 7)、「ガーネット」(Vol. 61)、「VOLT」、「食品詩倶楽部」、「ミルチァン」(Vol. 3)、『容赦して』(三角みづ紀さん詩集)でした。

詩集は売れないと嘆く詩人さんたちがけっこういらっしゃいますが、売れても売れなくても詩にはふつふつと湧いてくる力があるようで、過去も現在も、そしてたぶん未来も、不屈で不遜、元気でいるだろうと思います。これらの作品集はこれから楽しみに読ませていただきます。
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by hannah5 | 2010-07-12 16:30 | 詩のイベント | Comments(0)

日本の詩を読む   


7月9日(金)、「日本の詩を読む」の3回目は現代の女性詩人として、新川和江、白石かずこ、吉原幸子を読みました。読んだ作品は新川和江が「夢のなかで」、白石かずこが「あっちの岸(other side river)」、吉原幸子は「狂」でした。新川和江の「夢のなかで」は就寝中に見た夢をモチーフにして書いたもので、シュルレアリスムを利用した作品、白石かずこの「あっちの岸(other side river)」は堕胎された胎児の口を通して語った作品、吉原幸子の「狂」は狂気の怖さを模した作品で、3人の作品の中では白石かずこの「あっちの岸」が私にとって詩としての面白さをもっとも感じさせてくれた作品でした。(イデオロギーとは無縁で、地に足がつかず浮遊しており、イメージからイメージへ渡っていくような詩が好きです。そういう意味で白石かずこの作品は意外にもハマリました。)

シュルレアリスムの話が少し出ました。それで思ったのですが、一人ずつ詩人の作品を取り上げ、解説を聞きながら読んでいくのはもちろん楽しいし収穫もあるのですが、言語論的な解説を聞くと、作者や作品を取り巻く文化や背景がより深く理解できていいのではないか、少なくとも私にとってはそういう講義の方がよりプラスになるのではないかと思いました。

次回は吉増剛造を読みます。

野村喜和夫さんのプロフィール
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by hannah5 | 2010-07-10 23:42 | 詩のイベント | Comments(0)