<   2011年 01月 ( 9 )   > この月の画像一覧   

ぎざぎざの襞の間   


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世界でたった一つの眠りを貪るきみよ

胸のぎざぎざの襞の間に
吸いつくように棲んでいる

体の隅々におりてくる朝の光がうまいから
大きなシーツを広げておくね

溶かした夢にうなされないように
わたしも眠りの淵に腰かけているよ
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by hannah5 | 2011-01-31 23:48 | 猫かわいがり | Comments(0)

長谷川龍生先生の教室の新年会   


以前、3ヶ月ほど長谷川龍生先生の詩の教室に通ったことがあり、そのご縁で今日行われた新年会に招んでいただきました。(新現代詩で定期的に書かせていただいているのも、この教室でサブリーダーを努められている松本恭輔さんにお誘いを受けたからです。)場所はいつも教室が開かれている神田の文藝学校でした。

参加者は龍生先生を入れて全部で10名。ジャーナリストの方もいらしていて、安部公房とのお付き合いの話や、田中角栄や大平正芳などの政治家とのお付き合いの話、城戸朱理さんなどユリイカの新人を発掘した話等々、文学者に留まらず幅広い人脈とのお付き合いや裏話など、時にどこまで本当かわからない眉唾気味の話を交えながら龍生先生は楽しそうに話されていました。以前教室に通っていた頃より、お元気になられたご様子で、相変わらず執筆等お忙しいご様子でした。教室の生徒さんたちも皆お元気そうでした。いろいろなご馳走やスナックや飲み物など、一手に引き受けて用意してくださった降旗りのさん、ご苦労さまでした。松本恭輔さん、招んでいただいてありがとうございました。
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by hannah5 | 2011-01-30 20:15 | 詩のイベント | Comments(0)

日本の詩を読む III   


1月21日(金)午後6時45分から、野村喜和夫さんの「日本の詩を読む」の最終講義がありました。講義は前回に引き続き、「戦争・革命・都市-詩は社会批判である②」でした。

この講義は一つの作品を深く読むものではなく、詩人の置かれていた時代背景や環境、詩人が関わった文学運動等、1、2篇ずつ作品を読みながら概論的に考察を進めていくものでしたが、現代の詩に至るまでの歴史的背景や詩人たちの果たした役割などを知ることができ、また自分からはまず読まないであろう詩人たちの作品に触れることができ、私にとっては大変有意義な時間でした。それにしても戦争を免れることができなかった時代や革命が日常であった時代にはイデオロギーは必要不可欠のものであり、そこから生まれてくる詩は理想と現実の狭間で揺れる詩人の厭世観や高揚した内面を如実に物語るもので、人の精神活動がいかに時代に影響されるかということを思わされました。今回読んだ詩人と作品は鮎川信夫の「繋船ホテルの朝の歌」、谷川雁の「毛沢東」、堀川正美の「新鮮で苦しみおおい日々」でした。

講義後の二次会ではお互いに慣れたせいか受講者同士や受講者と野村さんが今までになく自由に意見交換し、最後には野村さんから詩を書くことへの激励をいただいたことは収穫でした。次回の講義は5月、1950年代から2000年の詩人たちを取り上げる予定だそうです。
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by hannah5 | 2011-01-22 17:44 | 詩のイベント | Comments(0)

詩と思想新年会   


少し遅くなりましたが、1月10日(月・祝日)午後1時より、詩と思想の新人賞授賞式を兼ねた新年会がありました(場所はホテルグランドパレス)。

今年の新人賞は岡田ユアンさんの「明朝体」でした。岡田ユアンさんは比留間一成さんの現代詩教室(通信)で学んでこられ、現在は詩と思想研究会に出席して学ばれていらっしゃるそうですが、詩を書き始めるきっかけも指導を受ける場所は人それぞれに違い、一つの賞を受賞するに至る道のりもまた人それぞれさまざまなのだと思いました。

詩と思想研究会に出たのは2、3回ほどですが、何人かの方達が覚えていてくださって声をかけていただきました。覚えていてくださって恐縮です。新年会後の二次会は都合により欠席させていただきました。


                                   ******

【詩と思想新年会プログラム】

I.  第19回「詩と思想新人賞」授賞式 午後1時~2時

   開会の言葉
   来賓挨拶: 伊藤桂一、新井豊美、比留間一成、西岡光秋
   選考経過: 一色真理
   選評: 相沢史郎、新川和江、森田進
   受賞者の表彰
   受賞者紹介: 小川英晴
   受賞者挨拶と受賞誌の朗読: 岡田ユアン「明朝体」
   花束贈呈

II. 懇親会 午後2時~4時

   開宴の言葉: 菊田守
   最優秀新人表彰
   乾杯: 丸山勝久
      ―― 祝宴 ――
   スピーチ
   社主挨拶
   閉会の言葉

III. 二次会: 「さかなさま」にて 午後4時10分~6時
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by hannah5 | 2011-01-22 17:43 | 詩のイベント | Comments(0)

若いぞ   


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                           いま 5kg

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                           去年 3kg
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by hannah5 | 2011-01-18 00:55 | 猫かわいがり | Comments(2)

鼓膜をほぐして   


         もしかしたら
         言いたいことを忘れてしまった
         しばらく前から
         本当はたくさんあった
         言おうと思っていたこと
         言うはずだったこと

私の中で音がしていた
私が生成されたばかりの頃
細胞分裂が始まったばかりの核に近い球体の中で
初めて鳴った音
体の奥のどこか仄暗い所で鳴り続けていた
それからずっと

耳を澄ますことをどこかで見失った
雑踏の中を歩き回っているうちに
足元から立ち上ってくる雑音に気を取られ
喧騒の中から湧いてくる騒音に呑み込まれ
鼓膜がすっかり硬くなってしまった

右を聴くことは正しくなかった
左を聴くことも正しくなかった
もとより初めから

気を取られているうちに仮面が付いていた
その仮面を剥いで別の仮面を着けてみる
居心地がいいかどうかよくわからない
なんとなく仮面の顔になった気がする
不器用な手つきで仮面を剥がす
また別の仮面を着けてみる
どれかが私のオリジナル
のはず

鼓膜をほぐしてじんわりと
今も鳴っているはずの音に焦点を合わせて
聴く

(旋律26号所収)
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by hannah5 | 2011-01-16 01:53 | 投稿・同人誌など

日本の詩を読む III   


1月7日(金)午後6時45分から、野村喜和夫さんの「日本の詩を読むIII」の講義がありました(於池袋淑徳大学)。今回と1月21日は「戦争・革命・都市-詩は社会批判である」を学びます。

近代詩の大詩人といえば、萩原朔太郎、西脇順三郎、北原白秋、草野心平、三好達治、金子光晴などが挙げられますが、その中でも特に金子光晴は反戦詩(または抵抗詩)の詩人として大きな足跡を残しました。パリ滞在中に書いた自伝三部作『どくろ杯』『ねむれ巴里』『にしひがし』は、野村さんもずいぶん読み込まれたそうで、殊に『どくろ杯』はぜひ読むようにと言われました。

私自身は大抵の詩はそれほど抵抗なく読めるのですが、反戦詩のようなイデオロギーのある詩は今読むには時代錯誤で、詩の中で社会批判をすること自体自分の詩の在り方とは相容れないものがあると思っていたため、これまで避けてきました。しかし、夕べ読んだ「鮫」や「泡」という詩は私がこれまで抱いてきたイデオロギーのある詩のイメージを変えるもので、私の中でことごとくざわめきたつものを感じました。金子光晴は詩の中で痛烈な国家批判をしていますが、左翼詩人にありがちな批判対象を批判主体の目で見るのではなく、批判主体である自分は同時に批判対象でもあるという立場を維持し続けました。他に中野重治にも触れ、「雨の降る品川駅」を読みました。

授業後の2次会は、淑徳大学事務局の岡本さんに案内されて連れて行っていただいた焼き鳥屋さんで、さまざまな焼き鳥をつまみながら、詩談義、宗教談義、その他諸々談義に花を咲かせました。野村さんご推薦のもつ煮がおいしかったです。


******

【講義のスケジュールと内容】
1. 10月15日(金)  夢・狂気・言語-シュルレアリスムの系譜①
2. 11月26日(金)  夢・狂気・言語-シュルレアリスムの系譜②
3. 12月10日(金)  愛・自然・抒情-詩的自我のメタモルフォーゼ①
4. 12月24日(金)  愛・自然・抒情-詩的自我のメタモルフォーゼ②
5. 1月7日(金)    戦争・革命・都市-詩は社会批判である①
6. 1月21日(金)   戦争・革命・都市-詩は社会批判である②
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by hannah5 | 2011-01-08 19:45 | 詩のイベント | Comments(0)

かげろう   


ため息をひとつ
目の前に小さく落としてその先をじっと見つめる
ため息はいくつもの気泡となって
やがて薄くなり始めた表面がくるりくるりと向きを変え
ついにはぽつぽつと穴があいて風通しがよくなる頃
ひっそりと消え入るように溶けていく

風をまたいで歩いていた足が
速度をゆるめ始める
何かを思い出したようにふと立ち止まる
うしろを振り返り
眉間に小さな皺をいくつも寄せ
それから前を向いてふたたび歩き始める
通り過ぎていく風景の中に皺をひとつずつ落としていく
最後の皺を落とすころには
うしろにあったものは霧のように薄くまばらになっていて
やがてそれらもぼんやりと消えていく

始まりをいくら捜しても見つけることができない
二、三日前通った時にはたしかにあったはずなのに
どこかに紛れてしまったか
ぼんやりと消えてしまったか

解決策は霧のようにあいまいなまま
ゆっくりと先へ行く

小さいころからいつも触ってきた街の匂いと音
季節の変わり目ごとに拾い集めた約束のことば
地中深くに突き立てた流れ星
それぞれがかげろうのようにぼんやりと立ち上がり
時間の裏側へ落ちていく

歩いた後から足跡が消える
積み上げた思い出がひとつずつ砕けていく

扉を小さく開いてきれいな色とりどりの石を
わたしの手の中に置いてくれた
わたしは手を握りしめて石の感触を確かめたかった

握りしめた手の中で石が消えていた
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by hannah5 | 2011-01-02 00:23 | 作品(2009~)

あけましておめでとうございます   


1日中掃除をしたり電灯の傘を洗ったリ掃き掃除をしているうちに夕方になり、施設でお正月を過ごす母に会いに行き、それからダッシュで年越しの買い物をし、9時前に帰ってきて年越しそばを作り、紅白を見ながらおそばを食べてやっと一息つきました。見終わってホットしていたらもう新年です。でも、今年はクリスマスのニュースレターも年賀状も出せたし、全部ではありませんが目立つ所の掃除もできたし、これから自分用のおせち料理を少し作りますが、去年よりずっといろいろなことが整理整頓できた年末でした。

自分の力を超えたことがたくさん起こり、気持ちの整理がつかないまま走り続けたこの2、3年でした。父が残してくれたほんの少しの遺産相続の手続きも無事終わり、やっと最近足元を踏みしめることができるようになりました。来年はもう少し明るい風が吹いてくるような気がします。

新年に向けて日本人が一番思うことは「希望」だそうです。私も同感です。今年はもう少し明るい年になるように、心が砕かれることが少しでも消えるように、穏やかな気持ちで過ごすことができるような1年になるようにと願っています。

皆様の新年が希望に満ちた健やかな年になりますようにお祈りいたします。

本年もよろしくお願いいたします。

はんな
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by hannah5 | 2011-01-01 01:37 | ご挨拶 | Comments(2)