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まだ模索中   


苦しみの道からとぼとぼ
悲しみもがいてしょぼしょぼ
明るい道を探してよろよろ
あの頃から探し続けてまだ歩いてる
どこまで行けばいいのだろう
人生は模索の連続

うろうろした日はつい昨日のこと
時間の経つのは早いけど
人生が経つのは遅い
あの頃は昨日のようで
遠い未来は明日のこと?

# by hannah5 | 2004-11-03 13:09 | 作品(2004-2008)

無題   


今日もまた 時はさびさびと過ぎて往く
私はこうして息をこらして生きている
人々の優しい笑顔を感じながら
穏やかに過ぎて往く歴史の一頁よ!
朝には風の爽やかさがあり
昼には」太陽のもの憂さがあり
夜には低く澱んだ静寂があっても
時の流れは私の掌にずっしりと重い
ああ
ペンをもたずに歴史をつづっているこの身の
何と切なくいとおしいことか!


(1977.10)

# by hannah5 | 2004-11-02 23:49 | 萌芽(before 1997)

帰らぬ時間   


時の流れが帰って来ない
私は見知らぬあの街に
小さな光の忘れ物をしてきた
酒に酔うことも男の心知らず
嬉々としていた日々の光を
自転車で通りかかったあの街の駅に
忘れたまま

時の流れが帰って来ない
青い銀杏は二度と芽吹かず
黒々とした桜の枝にはつぼみさえふくらまない

倒れたままの自転車は
雨にうたれてふるえているよ


(1977.10)

# by hannah5 | 2004-11-02 23:35 | 萌芽(before 1997)

美しきもの   


雨に打たれ 羽根を震わす末期の蝶
秋の夜 電燈の明かりに弱々しくつきまとう蛾の燐糞
夜霧に怪しく光る蜘蛛の糸
闇夜を裂いて流れる稲妻
血管の透いてみえる白い膚 ナイフで一筋血を流す
煙草のけむりにまどろみ 頭に熱をもてば
伝い落ちる血の冷たい快さ


(1977.8)

# by hannah5 | 2004-11-02 23:29 | 萌芽(before 1997)

落葉松林   


それらの日々とは また無関係に歩き出す
それらの日々は二度と起きて 私を打つことにはない
それらの日々の埃を落とし
それらの日々に映っている私をそっと洗い
それらの日々を
清浄な空気の流れる落葉松林に置いてゆこう


(1977.8)

# by hannah5 | 2004-11-02 23:12 | 萌芽(before 1997)