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私の好きな詩・言葉(22) 「詩人のうたたね」   

詩を詠む一人として、詩がどのように生まれてくるのか、そして人はそれをどのように感受するのか興味があります。母の胎内にも似た心の奥深くで、言葉になる前の想いが言葉という明確性をもって生まれ出ずる。

寝太郎さんの「詩人のうたたね」に共感を覚えました。一つ魂の中で心が胎動し始め、想いが言葉を与え、意志が胎児となった言葉を産み落とす。言葉が生まれる瞬間を寝太郎さんの感性がとらえた見事な詩です。(うたたねの記


詩人のうたたね


ことばが生まれる
生まれようとしている

光あれ

夜の深みで誰かが命じた
祈りの大河から
ひとつの魂が掬い取られた

そして想いが湧き起こる

暖かな
命の歌
どこまでも広がっていく
クスクス笑い
そして、沈黙
満ち足りたまどろみ
眠りの精たちが
流れるように
静かに舞う
光と戯れる
羽毛のよう

そこは魂の揺りかご
世界に光をもたらす
ことばのまどろみ、育まれるところ

彼らは大切にくるまれて
名づけられるのを待ち続ける
自分だけの名前
世界との約束の印
その絆の結ばれる
神聖なその瞬間を

あぁ、そして今、
かなたより呼ぶ声が聞こえる

「目覚めよ!ことばが生まれる!!」と

by hannah5 | 2005-01-04 15:18 | 私の好きな詩・言葉

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