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冬の午後   


気分がしゃきっとするから
真冬が一番好きだと言っていたあなたは
真冬が来てもそれを知ることもなく
静かな部屋で眠り続ける
あなたの寝顔を見ながら
少しづつ
見えないくらいの速度で
いのちの源が減少しているのを感じる
誰も知らない世界に行ってきたあなたは
目覚めると私の顔を見てにっこり笑う

どこにいのちを置きに行ってきたのだろうか

あなたはこの世の欲などすっかりなくしてしまって
優しいばかりになったしまった
年を取るということは
天にいのちを返すということ
あなたは
誰にもそれとは気づかれずに
一人で旅立ちの準備をしているのだ

by hannah5 | 2005-01-13 23:01 | 作品(2004-2008)

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