さくら散る
2012年 05月 16日
いつまでも
いつまでも花が散る
肩の上に
頬に
風に流されていく花びらの記憶の中に
歩いてみる
うす桃いろの花びらが
ぽってりと息苦しく重なり合う下を
どこまでも
どこまでもこれが最後というふうに
降り落ちる花びらを
しずかに
しずかに掬っては風に流し
その先に
小さな刻印を押してみる
小さな隔たりが
無言の言葉を風の中に舞いあげ
川面を見つめていた後ろ姿の向こう側に
落ちていく
途切れ途切れに
話が送り出され
このままずっと ひらひらと
漂い 流れ
(最初に書いた「さくら散る」です。)
by hannah5 | 2012-05-16 16:24 | 作品(2009~)