私の好きな詩・言葉(71) 「争う」と「かなしみ」(吉野弘と谷川俊太郎)
2006年 05月 02日
最近忙しくなりゆっくり新しい詩を開拓する時間がありませんが、青い空について書いた小さいけれど素敵な詩を2篇ご紹介します。rera-pilikaさんの美しい青空の写真を見ていて思い出しました。
「争う - 静」
青空を仰いでごらん。
青が争っている。
あのひしめきが
静かさというもの。
(吉野弘 『北入層』 より)
「かなしみ」
あの青い空の波の音が聞えるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい
透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった
(谷川俊太郎 『二十億光年の孤独』 より)
by hannah5 | 2006-05-02 18:29 | 私の好きな詩・言葉