いのちのつながり
2007年 01月 01日
いのちの欠片がひとつずつ
コトンコトンと落ちていく
きのうまで在ったものが
きょうはもうない
いのちにはめこまれた時間がくると
だれにも遠慮せず
しごく当然という顔をして
きょうという日から離れて落ちていく
私はいのちの欠片を落とさないように
両手を広げて
落ちてくる欠片を受け止めようとするが
私の知らない片隅で
ぽろぽろこぼれ落ちていくから
そのたびに
本当は受け止めることなど
あなたは望んでいなかったのだと気づく
あなたはいたって大らかに
いのちの行く末を天の采配に任せている
生まれてきたことが必然であったのか
あるいは偶然であったのかを
あなたは問わない
それは問う必要のない
天の摂理の中で
最初から定められていたことだからだ
それと同じように
死んでいくことが必然であるのか
偶然であるのかも
あなたは問わない
この世に生まれてきたことも
今まで生きてきたことも
いつか死んでいくことも
連綿と続く生命の営みの一部にすぎない
肉体が朽ち果ててしまっても
あなたの生命のへの大らかな信頼が
いつまでも空気の中で生きているような気がする
※ あなた=母
by hannah5 | 2007-01-01 00:20 | 作品(2004-2008)