時間を突き進む
2007年 01月 12日
言葉が未来を削っていく
妖怪のように
言葉を吐き続ける詩人たちの先頭に
未来のそのまた未来がある
爪の先でほじくり返す新しい時間が
ビリビリと悲鳴をあげながら
まだ生まれてこない時間の中に突き進んでいく
新しいとか面白いとかいうことが
何千分の一秒かの速さで
嘘のように古くなる
新しいということは
必ずしも美しいということではないだろう
古いということが脂じみた人生だったように
新しいということは
未来の中で生まれてくる痛みや
おぞましさや弱々しさを暴いていくのだろう
未来の思いを知る言葉たち
哀しさが溢れて花になるように
よれよれの縮図を掬いあげては
詠んでいく
今、若い詩人たちが次々と気炎をあげて言葉を吐いています。
一読しただけではわかりにくい妖怪のような言葉の群落。
しかし、その言葉が示すものはまぎれもなく未来に向かって生きていく姿勢であり、
今生きている時代の感覚や思考を理想化することなく言葉に置き換える感性です。
奇奇怪怪な言葉たちを読んでいると、自分の気持に誠実になれる言葉があるのを感じます。
詩は今、本当に面白いと思います。
「00年代の詩について」澤田 零(in/out 2006_Summer)
by hannah5 | 2007-01-12 23:36 | 作品(2004-2008)