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時間を突き進む   


言葉が未来を削っていく
妖怪のように
言葉を吐き続ける詩人たちの先頭に
未来のそのまた未来がある
爪の先でほじくり返す新しい時間が
ビリビリと悲鳴をあげながら
まだ生まれてこない時間の中に突き進んでいく
新しいとか面白いとかいうことが
何千分の一秒かの速さで
嘘のように古くなる

新しいということは
必ずしも美しいということではないだろう
古いということが脂じみた人生だったように
新しいということは
未来の中で生まれてくる痛みや
おぞましさや弱々しさを暴いていくのだろう

未来の思いを知る言葉たち
哀しさが溢れて花になるように
よれよれの縮図を掬いあげては
詠んでいく




今、若い詩人たちが次々と気炎をあげて言葉を吐いています。
一読しただけではわかりにくい妖怪のような言葉の群落。
しかし、その言葉が示すものはまぎれもなく未来に向かって生きていく姿勢であり、
今生きている時代の感覚や思考を理想化することなく言葉に置き換える感性です。
奇奇怪怪な言葉たちを読んでいると、自分の気持に誠実になれる言葉があるのを感じます。
詩は今、本当に面白いと思います。

00年代の詩について」澤田 零(in/out 2006_Summer)

by hannah5 | 2007-01-12 23:36 | 作品(2004-2008)

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