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悲しみの在り処   


心がねじれて折れ曲がりそうだ
けれど 放りだしてしまったら
たぶん
悲しみばかり残るだろう
だから 古くならないように
こうしてまだ温存しているのだけれど

(何が悲しい?
(踏み込んでいくことができなかったから?
(それとも
(立ち去ることができなかったから?

爪の先ほどの薄い関係の中で
孤独にさらされて生きてきた姿には
どこかにいつもすきま風が吹いているような
寒々しい寂しさがある
その姿を
息ができなくなるほどの孤独が覆っている
私は孤独に惹かれたことはなかった
ただ 深い孤独の中で
少しでもあたたまりたくて静かに笑っている笑顔が
とてつもなくなつかしかったのだ

私の携帯の画像にはその笑顔が残っている
初めて会った時 カメラを向けたら
なつかしい笑顔をつくってくれた
会う時にはいつもその笑顔があった
それは人の心に容易に分け入る笑顔で
いったん分け入ったら
いつまでもあたたかさが残る笑顔だ

私はその笑顔に会いたくて
何度も携帯を覗く

踏み込むことができなかったからか
立ち去ることができなかったからか
悲しみの在り処を
いまだに決めかねている

by hannah5 | 2007-01-13 23:42 | 作品(2004-2008)

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