ハンバーガーショップ
2007年 01月 14日
背中を向けて坐っている
窓に面したカウンターに
横に一列に並んで
一人はPCで書類の整理
一人はスポーツ新聞を斜め読み
一人は英語の勉強
一人は授業の選択の思案顔
最後の一人は
あ、詩を書いてるらしい
若い男の子
同じですね
と声をかけようと思ったが
詩を書いている時は一人っきりになりたいものだ
と思って
横目で眺めていることにした
小型テレビをこっそり持ち込んで見てる人
無声のDVDを見てる人
さっきからずっとメールを見てる人
同じく送ってる人
携帯で商談をしてる人
カウンターに突っ伏して寝てる人
ぼんやりタバコを吸ってる人
憂鬱な顔が煙の中に溶けていく
一人きりにはなりきれず
他人が背中を向けてひしめきあうこの店に
自分の世界に閉じこもるためにやってくる
大勢の他人の中で坐っている
自分一人という奇妙な安堵感と
肩を寄せ合って坐っていることの
お互いにつながらない連帯感と
隣のテーブルで延々と続く世間話を
うるさいとも思わず
何時間も孤独に没頭して
また孤独を拾って帰る
孤独という名の平安に
いくばくかの納得をして
by hannah5 | 2007-01-14 17:50 | 作品(2004-2008)