二十代がうっとうしかった
2007年 01月 16日
私がもう少し若かったら
なんて思ってみても無駄なことは思わない
私はそれなりに生きてきたのだし
若くて素敵な人たちに今出会ったからといって
私の人生が色褪せてしまうわけではないから
他の人たちがきらきら輝いていた時に
私は少しも輝かしい気分になれなくて
できたらなるべく早く老成して
少し疲れた大人の雰囲気を身につけ
分別臭く生きてみたいものだと思っていた
人生というには
かなり寸法が足りなかったし
広げてみても白々とした二十代が
薄紙のように広がっていた
あの時の思いは
バネのように跳ねて
―― ずっと跳ねて
山のような塊をいくつも抱え
それらを一つ超え
二つ超え
三つも四つも超えて その果てで
身につけていたものをすべて脱ぎ捨ててしまったら
―― 日本人であることも捨てて
本当の自分に行き着くのだろうと思っていた
ふと思う
二十代の頃の寸詰まりのような思いは
まだ終わっていないのだと
もう一つ 最後の大きな山のような塊を
超えなければならないのだと
by hannah5 | 2007-01-16 21:45 | 作品(2004-2008)