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あ・い・ず   


地球の上の方々を廻り
五年ごとぐらいに住み処を変え
―― 住んでみても、いつかはやっぱり出ていくだろうという予感が拭いきれず
その予感どおりになって
―― 予感というより、初めから決められていたスケジュールのような

出て行く時の寂しさは何度繰り返しても変わらない
せっかく積み上げたものを壊して無にしてしまう空洞
お決まりのように出て行かなければならない必然性を常に問う
長い新地のような繰り返しには
無防備と無軌道が住み始めた感覚があって

踏み外したのか
読み違えたのか
聞き取れなかったのか
正解と誤解が交互に揺れる

蒔いた種はどこへ行った?
荒れ地でも丁寧に耕せば
根が生えて芽が出ると教えてもらったが

人に言えない苦労をしてとは
ひと昔前の流行らないしきたりではなかったか
今はそれなりに可もなく不可もなくで
生き抜けるのに

出る杭は打たれるから
地球の暗い中心に向けて
下へ下へと打ち込んでいく

細胞がばらばらに切り離されて
どこでどのようにつながっていたのかわからなくなった頃
やっとおどおどした始まりの合い図を見る
始まりとは言えないほどのつつましやかさ

さて これを
何と名付けたらよいだろうか

by hannah5 | 2007-01-24 22:51 | 作品(2004-2008)

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